ベクトルはGPT-3を活用したオウンドメディア記事の自動作成等の次世代「PR DXソリューション」のサービス化に向けた実証実験を開始

■アジア屈指の言語処理技術をもつオルツと業務連携

 ベクトル<6058>(東証プライム)は2月22日、P.A.I.(R)(パーソナル人工知能)をはじめAIクローン技術でつくり出すパーソナルAIの開発および実用化を行う株式会社オルツと業務提携し、「ChatGPT」にも搭載されているOpenAIが開発した自然言語処理の人工知能モデル「GPT-3」の活用による、PR DXソリューションのサービス化に向けた実証実験を開始すると発表。

 ベクトルはこれまでも、個々の能力への依存度が高くなりがちであったPR領域においてDXを推進し、より効率的且つ生産性の高いソリューション提供により、クライアント企業の成長に伴走できるよう事業を推進してきた。同実証実験では、「GPT-3」を活用することで、オウンドメディアの記事作成をはじめとし、プレスリリース等の報道資料や各種広告クリエイティブ、動画コンテンツ等に至るまで、PR活動の骨子となる各種コンテンツ案のドラフト制作等においてAIによる自動化を可能にし、また、それらを各社各人毎にカスタマイズすることで、PRパーソンが上位の戦略及びクリエイティブ立案に没頭できる環境を作ることを目的としている。

 同実証実験においては、アジア屈指の言語処理技術とノウハウを持つオルツと連携する。オルツのもつアジア屈指の言語処理ノウハウと、これまでベクトルが培ってきたPR業務における様々なノウハウを活用することで、よりスピーディーかつより深いプロダクトアウトを実現し、クライアント企業に対して迅速に、より効果的なPRサービスを提供することを目指していく。

 さらに、同実証実験においては、「GPT-3」を最大限活用した上記サービスの構築を目指しつつ、当該生成系AI技術の課題である下記ポイントにおいても、それぞれ対応策を準備していく。

【課題(1):事実性の担保】

 人間のように自然な文書生成が可能な生成系AIの一つの課題として、事実無根の文章をアウトプットしてしまう可能性がある点があげられる。オルツの持つファインチューニング/パーソナライズ技術を活用し、言語処理モデルに事実性を重視するようにカスタマイズを施すことによって、事実に基づく文書の出力を行うことが可能であることが確認できている。

【課題(2):知識量のアップデート】

 第二の課題として、知識が過去時点の情報であり、直近情報に基づいたアウトプットが困難な点があげられる。オルツの持つ技術ノウハウを活用し、直近の情報をリアルタイムに入力することにより、言語処理モデルを逐次進化させ、日々の社会の変化に対応することが可能であることが確認できている。

【課題(3):アウトプットの制限】

 第三の課題として、生成系AIではアウトプット範囲を限定できないという点があげられる。オルツの持つ技術ノウハウを活用することで、FAQ以外のことには回答しないなどのようにアウトプットに制限をつけることができ、クライアントの要望に合った文章の出力ができることが確認できている。

【課題(4):セキュリティの脆弱性】

 第四の課題として、生成系AIでは学習データが外部に保存され、他モデルの影響を受けかねない点があげられる。オルツの持つ技術ノウハウを活用することで、学習結果が他モデルに影響されない、一定の閉じた環境を整備することが可能であることが確認できている。よって、クライアントに対して安心でかつハイクオリティのサービス提供が可能と考えている。

 ベクトルでは、同実証実験ならびにオルツとの連携によって、最先端の言語処理技術のPR領域における活用の可能性を多面的に検証するとともに、目的や課題等に応じた最適なDXソリューションとして提供できるように、早期のプロダクト化の実現を目指していく。

【オルツ社について】

 国内外屈指のベンチャーキャピタルを筆頭に30社以上の投資家からサポートを受けるディープテック企業であるオルツは、P.A.I.(R)やAIクローンをつくり出すことによって「人の非生産的労働からの解放を目指す」日本発ベンチャー。2021年9月、独自の大規模言語処理モデルの初期バージョンである「LHTM」(Large-scale Heuristic Thinking Model)※1を発表し、その後も研究開発を続け、2023年2月に「LHTM-2」※2を発表している。「LHTM-2」は、OpenAIの提供する大規模言語処理モデルである「GPT-3」等と同水準のパラメータ数で構成されており、また、自然なテキストを生成可能かつテキスト作成補助が可能でありながら、カスタマイズを前提とした柔軟な設計であることや、事実に基づく出力を内部的に誘導することなどが可能になっている。同じく2023年2月、これまでの言語処理技術や大規模言語処理モデル構築のノウハウを活用することで、各業界における実証実験のサポートを開始することを発表している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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