【編集長の視点】デザインワンは続落も業績上方修正を見直し直近IPO株人気が再燃余地

編集長の視点

デザインワン・ジャパン<6048>(東マ)は、320円安の5160円と続落して始まっている。前日11日の中国人民銀行の元切り下げを嫌って欧米株価が大幅安、ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が212ドル安と急反落し、きょう12日の日経平均株価が、88円安と続落してスタートしたことが波及し同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ、同社株は、今年7月3日に今8月期業績の上方修正を発表しており、今期純利益の連続過去最高更新を見直し、下値から直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃することも想定範囲内となる。今年7月9日につけた上場来高値6690円から信用取引規制の強化で株価が下ぶれたが、信用買い残が目先整理進捗を示していることも、買い手掛かり材料となりそうだ。

■無料・有料店舗会員数が予想を上回り「エキテン」の掲載料が好調推移

同社は、今年4月30日にIPOされ、IPO後の初決算となる今8月期第3四半期(3Q)業績発表時に早くも今期業績を上方修正した。IPO時の予想業績より売り上げを1億3000万円、営業利益を4400万円、経常利益を4200万円、純利益を2100万円それぞれ引き上げ、純利益は、1億8700万円(前期比88.2%増)と前期の過去最高を連続で大幅に更新する。主力の地域情報口コミサイト「エキテン」で、無料店舗会員数が、3Qに8万1602店舗、有料店舗会員数が、9796店舗と前8月期末現在のそれぞれ6万2898店舗、7212店舗から拡大し、今年1月から提供を開始したオプションプランの利用店舗数も予想を上回り、「エキテン」掲載料収入が好調に推移したことが、積極的な人材採用に伴う人件費・採用費増加、サイト運営の経費増などをカバーして上方修正につながった。

同社は、この上方修正のあとも、Gunosy<6047>(東マ)のアドネットワーク「Gunosy Network Ads」を採用して「エキテン」のサイト内広告の収益性を向上させ、今年9月からは就活応援制度「面接キャッシュバック」の導入を発表して採用選考面接に進む学生を支援するとともにデザインワンの事業理解度を高めているだけに、続く来2016年8月期業績の続伸期待も強めている。

■信用買い残は目先整理が一巡し25日水準から7%の下方かい離と下げ過ぎを示唆

株価は、公開価格2750円でIPOされ4150円で初値をつけ、今8月期業績の上方修正で2日間のストップ高を交えて上場来高値6690円まで急伸した。この最高値後は信用規制の強化を嫌い、4975円まで下ぶれたが、信用買い残が直近のピークから約27%減と目先整理一巡となっていることから、8月4日に戻り高値6470円までリバウンド、25日移動平均線水準でもみ合っていた。きょう12日の続落で、25日線から約7%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、値幅・需給調整十分として下値から戻り高値6470円を抜け、最高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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