【編集長の視点】ジオネクストは安値水準から続急伸、業績下方修正を織り込み下期業績の改善を買い直す

編集長の視点

編集長の視点 ジオネクスト<3777>(JQG)は、4円高の140円と続急伸して始まり、3月30日につけた年初来安値122円に並ぶ安値水準から底上げを鮮明化させている。同社株は、今年8月13日に今12月期第2四半期(2Q)累計決算の開示に合わせて、その2Q累計業績と12月期通期業績を下方修正し、期初の黒字転換予想が連続赤字に変わり、株価は、年初来安値目前の125円まで急落した。ただこの下方修正を精査すると、2Q累計業績の落ち込みに対して、下期以降は改善を示し、通期赤字が縮小することを見直し低位値ごろ株買いが増勢となっている。前期も、昨年8月に業績を下方修正したあと、遺伝子治療などのバイオ関連材料が続出し、株価が復元力を強めたことを連想されている。

■下期に太陽光発電所の売却を計画し通期営業利益は黒字転換

 同社の2Q累計業績は、期初予想より売り上げを3400万円、営業利益を1億3800万円、経常利益を1億5300万円、純利益を1億5600万円それぞれ引き下げ、純利益は、1億9900万円の赤字(前年同期は9300万円の赤字)となった。売り上げは、IT関連事業のWebアプリケーション開発・運用ソフトウェア製品の更新需要が減少し、ヘルスケア事業の調剤薬局の来店者数が見込みに届かないことなどから下ぶれ、利益は、再生可能エネルギー事業で太陽光発電所の建設、売却などを推進するための体制整備の費用が先行、新株予約権行使の手数料が発生したことなどが、下押し要因となった。

 これに対して12月通期業績は、期初予想より売り上げを10億2000万円、営業利益を1億円、経常利益を1億2400万円、純利益を1億2900万円それぞれ引きさげたが、利益の下方修正幅は、2Q累計業績より縮小する。下期に太陽光発電所の売却に伴う利益計上を計画しているためで、営業利益は、5000万円(前期は1億7500万円の赤字)と黒字転換し、経常利益は、1000万円の赤字(同2億4600万円の赤字)、純利益は、1500万円の赤字(同2億7400万円の赤字)と赤字幅を縮める。

■バイオ材料が相次いだ前期と同様の思惑も底流し底上げを支援

 株価は、年初来安値122円から今期業績の黒字転換予想などを手掛かりに同高値174円まで42%高して、業績下方修正でほぼ往って来いの調整となった。前期も、昨年8月の業績下方修正のあと、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の遺伝子治療の前臨床共同開発の進展、CNS遺伝子治療の臨床試験準備などのバイオ関連材料が続いて高値トライが続いた。同思惑も底流し、下げ過ぎ低位値ごろ株買いで25日移動平均線水準の150円台回復から年初来高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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