【編集長の視点】メドピアは最安値水準から反発、業績下方修正を織り込み「薬剤評価掲示板」などの高成長を買い直す

編集長の視点

メドピア<6095>(東マ)は、17円高の1092円と反発して始まり、今年8月14日につけた株式分割権利落ち後安値で実質の上場来安値となる1030円に並ぶ安値水準から底上げしている。同社株は、今年8月12日に今9月期第3半期(3Q)決算の開示に合わせて、9月通期業績を下方修正し、ストップ安を交えて実質上場来安値まで急落したが、ストップ安により業績下方修正は早期に織り込み済みとして3Qでの「薬剤評価掲示板」や「Meet Expert(MTE)」の集合知サービスの高成長を再評価、内需関連のバイオ株人気を高め下げ過ぎ訂正買いが再燃している。

■薬剤評価件数は1.4倍のペースで伸び「MTE」の解決件数も1.5倍

9月期業績は、期初予想より売り上げを4億2000万円、利益を1億8100万円~1億500万円引き下げたが、売り上げ10億3000万円(前期比7.5%増)、営業利益1億2000万円(同54.7%減)、経常利益1億1900万円(同51.5%減)、純利益6200万円(同58.8%減)と黒字は確保した。売り上げが、製薬業界で広告審査体制の見直しで一部製薬企業からの新規受注減少で下ぶれたが、新規取組に対する投資は前倒し、3Qに人員を増強し、本社を移転しことなどで固定費が増加したことが要因となった。

この間、同社は 医師向け専門情報サイト「MT Pro」を運営するメディカルトリビューン(東京都千代田区)と業務提携し、メドピアのソーシャルメディアサイト「MedPeer」と合わせて、医師会員数は、今年3月末の7万7402人が、10万人を超えた。「MedPeer」も高成長を続け、同サイトの集合知サービスでは、3Qに「薬剤評価掲示板」の評価件数が月間約8700件と前年同期比1.4倍のペースで伸びて累計41万3343件に達し、「MTE」も、各疾患のエキスパートが同1.5倍の381名、対象疾患領域が52領域に拡大、会員医師からの質問への解決件数が1.5倍となり、質問投稿累計も4638件に達した。今期業績は、一部製薬企業の広告出向見合わせで下方修正されたが、来期以降の業績期待を高めることになる。

■値幅調整先行で25日線から25%のマイナスかい離と下げ過ぎ

株価は、昨年9月30日割り当ての株式分割(1対5)の権利落ち後安値1300円から同高値2378円まで8割高し、メディカルトリビューンとの業務提携を評価して25日移動平均線水準で中段固めを続け、業績下方修正とともに上場来安値まで突っ込んだ。男性的な値幅調整先行で25日線から25%のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、バイオ関連株の逆行高特性発揮期待も加わって一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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