【編集長の視点】コーセルは3Q高利益進捗率業績と増配を見直して割安株買いが再燃し反発

【日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治】

 コーセル<6905>(東証プライム)は、前日17日に4円高の1077円と小反発して引け、今年4月6日に売られた直近安値1043円からの底上げを窺った。今年3月17日に発表した今2023年5月期第3四半期(2022年6月~2023年2月期、3Q)業績が、V字回復して着地し昨年12月に上方修正された今5月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し業績の上ぶれ期待を高めて下値に割安修正の打診買いが再燃した。業績の上方修正とともに今期配当も、年間31円に増配されており、期末接近ととともに配当権利取りの買い物も交錯している。

■スイッチング電源の手配需要が継続し生産能力増強で増産対応

 同社の今期3Q業績は、売り上げ252億7300万円(前年同期比23.2%増)、営業利益34億700万円(同61.2%増)、経常利益35億9400万円(同70.4%増)、純利益25億3200万円(同84.8%増)と大幅増益転換し、今5月期通期予想業績に対する利益進捗率は、82%~84%と目安の75%を大きく上回った。スイッチング電源の主要需要先の半導体製造装置は、まだ調整局面にあるが、同社製品のリードタイム長期化に伴い先々を見込んだ手配需要が継続し、3Q受注残が前年同期比32.5%増と伸びて増産対応をしており、一部入手難の部品材料の安定調達を進めたことなどが寄与した。

 今5月期通期業績は、昨年12月の上方修正値に変更はなく売り上げ337億3000万円(前期比20.1%増)、営業利益40億3000万円(同43.4%増)、経常利益43億4000万円(同45.5%増)、純利益30億7000万円(同62.0%増)と大幅増益転換を見込んでいるが、今期3Q業績の高利益進捗率から前期と同様の上ぶれ着地期待を高めている。なお今期配当は、期初予想の年間27円(前期実績26円)を31円に引き上げ、連続増配幅の拡大を予定している。

■25日線出没の三角保ち合いを上放れPER11倍、PBR0.8倍の修正に再発進

 株価は、昨年12月の今期第2四半期業績の上方修正で900円台を回復し、続く今期通期業績の上方修正と増配により1000円台に乗せ年初来高値1159円まで買い進まれたが、金融システム不安ショックの波及で1062円と売られいったん1153円とリバウンドしたものの4月月初の全般相場波乱とともに1043円と再調整し戻りを試すなど25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続けてきた。PERは11.9倍、PBRは0.86倍、配当利回りは2.87%と割安であり、三角保ち合いを上放れ年初来高値1159円奪回から2021年1月高値1320円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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