【株式市場特集】1月以来、業績を上方修正して黒字転換した銘柄の決算発表日に注目

 今週の特集では、今年1月以来、業績を上方修正して黒字転換した銘柄の決算発表日に注目し、その際の業績ガイダンスが、リスクではなくチャンスとなりそうな銘柄をスクリーニングすることとした。

 例えばANAホールディングス<9202>(東証プライム)である。同社は、昨年10月、今年2月と目下集計中の2023年3月期業績を上方修正し黒字転換幅も拡大させたが、前週末21日に国際線旅客収入増と燃油市況の落ち着きを背景に3回目の業績上方修正を発表しており、今週27日に予定している3月期決算発表時の次期2024年3月期の業績ガイダンスの注目度が高まることになる。これを先取りする投資スタンスである。

 これまで業績の上方修正で黒字転換した銘柄は、インバウンド関連株、リベンジ消費関連株、円安寄与や資材高・資材入手難が一巡したプラント関連株など多岐にわたるが、なかでも投資採算的にも割安水準にいる銘柄から優先することがベターとなりそうだ。

■インバウンド関連、リベンジ消費関連に固定資産譲渡益関連株も浮上

 まずインバウンド関連で黒字転換へ業績を修正した割安株をコード番号順上げるとワシントンホテル<4691>(東証スタンダード)、グリーンズ<6547>(東証スタンダード)、タカチホ<8225>(東証スタンダード)、西武ホールディングス<9024>(東証プライム)、KNT-CTホールディングス<9726>(東証スタンダード)、白洋舎<9731>(東証スタンダード)と続き、それぞれ5月11日、12日に本決算、四半期決算の発表を予定しており、ここでの業績ガイダンスが要注目となる。また大和<8247>(東証スタンダード)は、前2月期業績を上方修正し黒字転換着地したあと今期純利益の続伸を見込んでいる。

 リベンジ消費関連の割安株では久世<2708>(東証スタンダード)とスーパーバッグ<3945>(東証スタンダード)が浮上し、それぞれ5月15日、12日に決算発表を予定している。パレモ・ホールディングス<2778>(東証スタンダード>とティムコ<7501>(東証スタンダード)は、前期業績が黒字転換したあと今期業績も続伸予想にある。固定資産の売却益計上で黒字転換幅を拡大させたセントラル硝子<4044>(東証プライム)と明治機械<6334>(東証スタンダード)は、それぞれ5月11日、12日の決算発表時の業績ガイダンスが配当異動も含めて注目され、同様のくろがね工作所<7997>(東証スタンダード)は、今11月期第1四半期の純利益も黒字転換した。

■プラント関連株は円安、資材安定調達が寄与し電炉株では復配、増配も

 プラント関連株で黒字転換へ業績を上方修正した割安株は、コード番号順に列挙すると三井海洋開発<6269>(東証プライム)、千代田化工建設<6366>(東証スタンダード)、大日光・エンジニアリング<6635>(東証スタンダード)、三井E&S<7003>(東証プライム)となり、決算発表日は5月9日~15日を予定している。このうち12月期決算会社の大日光・ホールディングスと三井海洋開発は第1四半期業績の開示となり、続伸業績の確認となる。

 当特集でしばしば取り上げる電炉株にも該当銘柄がある。同業他社の東京製鉄<5423>(東証プライム)が、前週末21日に3月期決算を発表し今期業績の減益転換を見込んだことでやや期待が後退する可能性もある。しかし合同製鉄<5410>(東証プライム)は、黒字転換の業績上方修正とともに大幅な復配を発表し、北越メタル<5446>(東証スタンダード)は、同じく増配を発表しており、東京鉄鋼<5445>(東証プライム)ともどもそれぞれ4月28日、5月10日、5月8日に予定している決算発表時の業績ガイダンスは要マークとなる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る