国内初!アサヒ飲料は大気中のCO2を吸収する自動販売機を活用したCO2の資源循環モデルの実証実験を6月から開始

■吸収したCO2は肥料やコンクリートなどの工業原料に活用

 アサヒグループホールディングス<2502>(東証プライム)のアサヒ飲料は5月9日、自動販売機を活用したCO2の資源循環モデルの実証実験を開始したと発表。この実験では、大気中のCO2を吸収する特殊な自動販売機を設置し、吸収したCO2を肥料やコンクリートなどの工業原料に再利用することで、脱炭素社会に向けた取り組みを行っている。この自動販売機とCO2の資源循環モデルは、国内初の試みであり、特許出願中。

 自動販売機は周辺の大気を吸い込み、商品を冷やしたり温めたりする際に、庫内に搭載された特殊材がCO2のみを吸収する。この仕組みにより、自動販売機は大気中のCO2を吸収する木と同じ役割を果たし、CO2排出量の削減に貢献する。1台当たりのCO2吸収量は年間約20本分のスギと同等。実証実験では関東・関西エリアを中心に約30台を設置し、CO2吸収量や吸収スピードなどを検証している。2024年からは本格展開を予定しており、将来的にはCO2排出量と吸収量が同等となるカーボンニュートラルな自動販売機の開発を目指している。

 吸収したCO2は、同取り組みに賛同する自治体や企業と協力して、さまざまな工業原料として活用する。例えば、吸収材を肥料に配合して土壌に散布することで、CO2の土壌貯留を促進する。また、コンクリートの原料に配合することで、CO2の固定化や海中での藻場造成などに利用する。これらの活用方法は、ブルーカーボン生態系の再生や気候変動への対策につながる。

 アサヒ飲料は、自動販売機を通じて環境負荷低減に取り組むことで、100年先のサステナブルな地球を目指していく。アサヒグループでは、「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を行動指針とし、「アサヒカーボンゼロ」という中長期目標を掲げている。2050年までにCO2排出量をゼロとすることを目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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