【編集長の視点】アソインターナショナルは価格改定と新矯正治療システムの発売で業績拡大へ

■高変化率となったことを見直し下げ過ぎ修正買いが再燃

 アソインターナショナル<9340>(東証スタンダード)は、15日につけた年初来安値638円から底上げしている。前週末5月12日に発表した今2023年6月期第3四半期(2022年7月~2023年3月期、3Q)決算が、6月期通期予想業績に対してやや低い利益進捗率で着地したが、今期の四半期別の業績推移では、第2四半期(2022年7月~12月期、2Q)業績に対して増収増益で高変化率となったことを見直し下げ過ぎ修正買いが再燃し、期末に向け配当権利を取る買い物も交錯している。来2024年6月期業績も、今年6月から歯科技工物の価格改定を予定していることから期待を高め、サポート材料視されている。

■シェア34%超の矯正歯科技工物の受注が新規獲得も加わり順調

 同社の今期3Q業績は、売り上げ23億6600万円、営業利益3億1300万円、経常利益2億7400万円、純利益2億1600万円となった。昨年12月23日に新規株式公開(IPO)され四半期決算は初開示となるため前年同期比較はないが、今6月期通期予想業績に対する利益進捗率は、56%~64%とやや低調にとどまった。国内シェア34%超とトップを占める矯正歯科技工物の受注が、既存の歯科医療機関からの追加受注や新規の歯科医療機関からの受注獲得で順調に推移したが、昨年12月23日に新規株式公開(IPO)した上場関連費用の計上と円安・ドル高による調達コストの上昇や為替差損などが利益を下押した。ただ四半期別の比較では、この影響が大きく出た今期2Q業績に対して3Qは営業利益が72%増益、経常利益が4.4倍、純利益が5.4倍と高変化した。

 今6月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ32億6200万円(前期比4.7%増)、営業利益5億2800万円(同3.3%増)、経常利益4億8600万円(同6.2%減)、純利益3億3500万円(同4.6%減)を見込み、配当も年間21円を予定している。来2024年6月期は、上場関連費用の一巡や6月1日からの価格改定、さらにマウスピース型の新矯正治療システムの発売などの効果などから業績期待を高めている。

■下げ過ぎ修正に期末に向け配当利回り3.2%も意識しまず公開価格870円奪回へ

 株価は、公開価格870円でIPOされ、1001円で初値をつけ上場来高値1007円まで上値を伸ばす高人気となり、この反動で下値を探り、今期2Q業績発表とともに651円安値まで調整した。同安値から売られ過ぎとして780円までリバウンドしたが、米国の金融システム不安を背景にした世界同時株安のなか下値を探り、3Q決算発表を受け上場来安値638円まで再調整した。25日移動平均線からは5%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、6月期期末接近とともに年間配当利回り3.23%も意識した配当権利取りの再燃も期待され、まず公開価格870円の奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る