【アナリスト水田雅展の銘柄分析】サンコーテクノは地合い悪化も影響して急落したが売り一巡して出直り

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 サンコーテクノ<3435>(東2)は建設用あと施工アンカーの最大手である。株価は8月7日の戻り高値1700円まで上伸したが、第1四半期(4月~6月)大幅減益を嫌気し、さらに地合い悪化も影響して急落した。ただし8月25日は寄り付き直後につけた年初来安値951円から切り返し、終値では前日比100円高の1290円まで戻した。目先的な売りが一巡して出直り展開だろう。

■あと施工アンカーの最大手

 ファスニング事業(あと施工アンカー、ドリルビット、電動油圧工具などの開発・製造・販売)を主力として、リニューアル事業(外壁補修関連やFRP関連製品などの製造・販売)、センサー事業(電子プリント基板や各種測定器の製造・販売)を展開している。あと施工アンカーはコンクリート用特殊ネジ・釘類のことで、あと施工アンカーおよびオールアンカーの最大手である。

 なお16年3月期から組織変更を実施して事業セグメント区分を変更した。新事業セグメント区分は、ファスニング事業(ファスニング事業、工事部門)と、機能材事業(電動油圧工具製造・販売の子会社IKK、工事部門以外のリニューアル事業、センサー事業)とする。

 あと施工アンカー、アンカー打込み機、FRPシートなどは震災復興関連、都市再開発関連、耐震補強関連、老朽化インフラ補修・更新関連、20年東京夏季五輪関連、リニア新幹線関連など建設工事の増加が追い風となるため、中期的に事業環境は良好だ。

■センサー事業も強化

 センサー事業も強化している。14年11月にドコモ・システムズと業務提携して、15年3月には自動車運送事業法の対象企業に向けたクラウド型点呼サービス「docoですcar Guardian」の提供を開始した。ドコモ・システムズが当社の呼気アルコール測定システムを利用したクラウド型サービスを提供する。

 15年2月には「燃料電池式業務用呼気アルコール測定器ST-3000」の発売を発表した。燃料電池センサーの技術を持つタニタ(東京都)と共同開発した新製品で、これまでの接触燃焼式から燃料電池式にすることによりガス選択性の向上と測定時間の短縮を実現する。

■16年3月期第1四半期減益だが、通期ベースで営業増益・増配予想

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)37億61百万円、第2四半期(7月~9月)46億72百万円、第3四半期(10月~12月)46億13百万円、第4四半期(1月~3月)47億89百万円、営業利益は第1四半期2億45百万円、第2四半期4億65百万円、第3四半期3億88百万円、第4四半期4億13百万円だった。

 また15年3月期の配当性向は11.0%だった。ROEは14年3月期比0.7ポイント上昇して12.6%、自己資本比率は同6.5ポイント上昇して61.4%となった。売上高に対する新製品比率は同1.0ポイント上昇して17.0%となった。

 8月11日に発表した今期(16年3月期)第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.7%減の35億46百万円で、営業利益が同35.7%減の1億57百万円、経常利益が同38.8%減の1億47百万円、純利益が同41.8%減の84百万円だった。

 セグメント別(連結調整前)の動向を見ると、ファスニング事業は売上高が同8.5%減の25億89百万円、営業利益が同21.3%減の2億78百万円だった。マンションや商業施設の需要が鈍化したことに加えて、メガソーラー設置工事の遅れも影響して、主力の金属系・接着系あと施工アンカーの販売が低調だった。

 機能材事業は売上高が同2.8%増の9億56百万円、営業利益が同2.9%減の1億08百万円だった。電動油圧工具関連の国内販売が伸び悩んだが、電子基板関連やアルコール測定器関連が好調だった。FRPシート関連は前年並みだった。

 通期の連結業績予想は前回予想(5月14日公表)を据え置いて売上高が前期比5.4%増の188億円、営業利益が同7.2%増の16億20百万円、経常利益が同6.0%増の16億円、純利益が同3.5%減の10億75百万円としている。

 セグメント別の計画(連結調整前)を見ると、ファスニング事業の売上高が同4.5%増の144億42百万円、営業利益が同2.9%増の19億97百万円、機能材事業の売上高が同7.8%増の49億19百万円、営業利益が同21.0%増の6億37百万円としている。

 ファスニング事業では、土木分野の設備関連商材の開発・販売、太陽光関連の小規模物件を中心とした受注を強化する。機能材事業では、環境配慮型FRPシート、勤怠管理システム、15年2月発売の新型アルコール測定器、15年5月発売の熱中症計などの拡販を強化する方針だ。

 通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高が18.9%、営業利益が9.7%、経常利益が9.2%、純利益が7.8%と低水準だが、期初時点で下期偏重の計画であり、第2四半期(7月~9月)以降の挽回が期待される。

 配当予想は同3円増配の年間18円(期末一括)としている。予想配当性向は13.6%となる。利益配分については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続していくことを基本方針としている。

■売上高成長率5%以上を目指す

 新中期経営ビジョンでは「独自のファスニング(締結)システムで安全・安心を提供するモノづくり集団の追究」を掲げ、成長企業(優良企業)、ブランド力アップ、業務力アップ、チーム人財力アップを目指す方針だ。目標数値には売上高成長率5.0%以上、営業利益率8.0%以上、ROA8.0%以上を掲げている。

 中期成長に向けて組織変更を実施した。ファスニング事業以外を一つの事業に集約して営業体制を強化するとともに、事務作業を集約して収益改善を推進する。また一気通貫体制・フレキシブル体制で安定供給・安定品質・市場創出を促進する。

 建設現場では現場作業の省力化・機械化ニーズの高まりや非熟練作業者の増加が予想され、現場での使いやすさを高めた施工ツール、あと基礎アンカー、アンカー打込み機、紫外線硬化FRPシートといった製品の採用が一段と増加する。中期的に事業環境は良好であり、新製品や高付加価値製品の拡販も寄与して収益拡大基調だろう。

■株価は地合い悪化も影響したが売り一巡して切り返し

 株主優待制度については14年11月に導入を発表した。毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対してQUOカード500円分を贈呈する。

 株価の動きを見ると、8月7日の戻り高値1700円まで上伸したが、第1四半期大幅減益を嫌気し、さらに地合い悪化も影響して急落した。ただし8月25日は寄り付き直後につけた年初来安値951円から切り返し、終値では前日比100円高の1290円まで戻した。目先的な売りが一巡したようだ。

 8月25日の終値1290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS132円09銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は1.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1146円57銭で算出)は1.1倍近辺である。

 週足チャートで見ると、戻り高値圏から大陰線を引いて一気に26週移動平均線を割り込み、1200円近辺の下値支持線も割り込んだ形だが、安値圏で長い下ヒゲをつけて売り一巡感を強めている。出直り展開だろう。

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