【チャート診断】トヨタは8月安値維持できれば中期仕込み場

トヨタ TOYOTA

■期待の1万円相場にはアベノミクス継続と燃料電池車本格化が必要

チャート診断 トヨタ自動車<7203>(東1・売買単位100株)は、今回のチャイナショックで8月に6650円まで年初来高値から24.2%下げた。ただ、9月の2度目の下げでは8月安値を維持し二番底の匂いが漂っている。依然、1万円相場への期待は強く、信用買残はさらに膨らんでいる。

<株価の歩み&現在位置>

 週足チャートは2014年4月の5205円をスタートとして今年3月の8783円まで値幅で3578円、率で68.7%上昇した。この間の日経平均の上昇率44.1%を大きく上回った。但し、日経平均は今年6月高値だったが、トヨタはそれより3カ月早い3月に天井をつけた。

 今回のチャイナショックでは、8月25日に6650円まで下げた。しかし、7日(月)の下げでは8月安値をキープしている。一方、日経平均は7日は8月安値を下回っている。トヨタが日経平均に先行性があるとすれば、トヨタの先行底打ちは日経平均の底入れも近いといえるだろう。現在、トヨタは年初来高値に対し約8合目水準にある。

<マーケットの視点>

 信用買残整理の進み状況が注目されている。日経平均が燃え上がった今年6月頃に比べトヨタの信用買残は現在では5割ほど増えている。株価の下落過程で個人がナンピン買いした展開となっている。

 マーケットでは、「アベノミクスの象徴的銘柄で業績もよいため、依然、1万円相場を期待して処分売りより買い増している。当然、戻れば売り物が控えているだけにプロの機関投資家は簡単には個人の信用買いを肩代わりはしてこないだろう」と市場関係者はみている。
 また、アメリカの利上げが実現した場合、円安がどこまで進むかという点についても注目している。

<方向&短期・中期判断>

 このまま8月のチャイナショック時の安値を下回らなければ、チャートで二番底となって反発に転じるものとみられる。その場合、短期的には日足25日線の7550円台、中期的には週足の26週線がそれぞれ目安となるだろう。

 ただ、26週線を上抜くまでは、「戻り売り」基調が続く。26週線を抜けば、当然、戻り売りから「押し目買い」に方向転換するが、その前提条件としては、指摘されているようにアベノミクスの中心的銘柄ということかは、何よりもアベノミクスが継続されることが必要である。

 さらに、それにプラスして量的金融緩和第3弾の具体化、燃料電池車の本格普及といったことも必要だろう。投資スタンスとしては、ここ数日において8月安値を維持するようなら中期狙いで仕込んでよさそうだ。

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