【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコは15年11月期収益改善基調、0.2倍近辺の低PBRも見直し材料

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ティムコ<7501>(JQS)はフィッシング用品とアウトドア用品の企画・販売事業を展開している。株価は悪地合いの影響で水準を切り下げたが、15年11月期は収益改善基調であり、0.2倍近辺の低PBRも見直し材料だ。下値支持線から反発展開だろう。

■フィッシング用品とアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品とアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。

 20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりも期待される。

■15年11月期予想減額で増益幅縮小だが、収益改善基調

 今期(15年11月期)の非連結業績予想(7月8日に減額修正)は、売上高が前期比3.1%減の28億40百万円、営業利益が同46.5%増の37百万円、経常利益が同10.8%増の40百万円、純利益が同47.9%増の12百万円としている。配当予想(1月16日公表)は前期と同額の年間12円(期末一括)で予想配当性向は281.7%となる。

 第2四半期累計(12月~5月)は売上高が前年同期比7.7%減の13億93百万円、営業利益が同80.8%減の2百万円、経常利益が同62.9%減の7百万円、そして純利益が9百万円の赤字(前年同期は5百万円の利益)だった。消費増税前駆け込み需要の反動、消費増税後の消費マインド低迷の長期化などで計画を下回った。

 セグメント別(全社費用等調整前)に見ると、フィッシング事業は売上高が同11.9%減の4億99百万円、営業利益が同18.9%減の71百万円だった。ルアー用品の取引先小売店での販売が低調だった。在庫品値下げ販売も影響した。

 アウトドア事業は、売上高が同5.9%減の8億79百万円、営業利益が同6.3%減の41百万円だった。春夏物衣料が堅調に立ち上がったが、消費増税前駆け込み需要の反動減を補うに至らなかった。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(12月~2月)6億31百万円、第2四半期(3月~5月)7億62百万円、営業利益は第1四半期31百万円の赤字、第2四半期33百万円だった。収益はやや低水準だが、第2四半期の営業損益は改善基調となった。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益向上に努める方針としている。店舗オペレーション効率化や販管費圧縮などの効果も寄与する。会社予想を減額修正して増益幅が縮小するが、通期ベースでの収益改善基調が期待される。

■株価は悪地合いの売り一巡、下値支持線から反発

 株価の動きを見ると、悪地合いの影響を受けて570円~580円近辺の小幅レンジでのモミ合い展開から下放れ、9月7日には年初来安値となる549円まで調整する場面があった。ただしその後は550円台で推移して下げ渋る動きだ。悪地合いに伴う売りが一巡したようだ。

 9月18日の終値552円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円26銭で算出)は130倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。なお時価総額は約18億円である。

 週足チャートで見ると、26週移動平均線と52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、14年の安値圏540円~550円近辺が下値支持線となりそうだ。15年11月期は収益改善基調であり、0.2倍近辺の低PBRも見直し材料だ。下値支持線から反発展開だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る