【編集長の視点】トヨタは続落も決算発表に期待を高め割安主力株買いが再燃の余地

編集長の視点

トヨタ自動車<7203>(東1)は、114円安の7120円と続落して始まったあとやや下げ幅を縮めている。大型連休中の海外市場で中国景気の減速懸念が強まって波乱が続き、さらに自動車株全般にも、同社と世界トップを争っているライバルのドイツのフォルクスワーゲン(VW)が、米国で大気浄化法に関する排ガス試験不正問題で65億ユーロ(約8700億円の特別損失が発生、最大180億ドル(2兆1600億円)もの巨額の制裁金を課されると報道されていることから軒並み安となっており、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ、下値では7000円台下位固めはほぼ最終局面として、今3月期の上方修正、連続最高純益更新を見直し下げ過ぎ訂正買いが交錯している。また、VWの検査不正問題も先々、ディーゼル車離れで同社のハイブリッドカーに対して世界的なエコカー人気が高まる展開につながるとしてプラスの側面支援材料視されている。

■足元の為替レートは今年8月の見直し想定水準より円安で推移

同社の今3月期業績は、すでに今年8月の第1四半期(1Q)決算発表時に小幅ながら上方修正された。車両販売台数を期初予想の890万台から895万台(前期比0.2%減)と引き上げて前期比マイナス幅を縮め、為替レートを期初予想の1ドル=115円、1ユーロ=125円からそれぞれ117円、127円と円安方向で見直し、原価改善効果が、今期1Qに設計面の改善で500億円、工場・物流部門の改善で100億円と増益要因として寄与したことなどが要因となった。

今期営業利益と純利益を期初予想の据え置きとしたが、売り上げを期初予想より3000億円、税引前純利益を100億円それぞれ上方修正し、売り上げ27兆8000億円(前期比2.1%増)、営業利益2兆8000億円(同3.0%増)、税引前純利益2兆9800億円(同3.0%増)、純利益2兆2500億円(同3.5%増)と予想、前期に続く過去最高更新となる。

その後、ギリシャの債務不履行懸念や中国の景気減速懸念で為替相場が乱高下したが、足元の為替レートは、なお同社が今年8月に見直した想定水準より円安で推移しており、11月に発表予定の今期2Q累計決算で、1Q決算発表時の業績予想がさらに上ぶれとの期待を高めている。

■PER9倍台の割安修正で25日水準の三角保ち合いから上放れへ

株価は、今年3月に上場来高値8783円と買われ、今期業績の連続過去最高予想で8000円台で推移したが、ギリシャ危機、中国リスクの台頭などから年初来安値6650円まで調整、下げ過ぎとしてこの調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドした。PERは9倍台となお割安で、テクニカル的にも25日移動平均線水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めており、この水準でのダメ押しから上放れ、半値戻しの7700円台回復、全値戻しと一段の戻りにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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