【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ケンコーマヨネーズは16年3月期業績予想増額含み、中期成長力も見直し

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野を主力として、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業領域拡大戦略を加速している。株価は悪地合いの影響で戻り高値圏から急落する場面があったが、その後は切り返して売り一巡感を強めている。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり指標面に割高感はない。中期成長力も見直して高値圏を目指す展開だろう。

■タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連への事業領域拡大戦略を加速

マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品、サラダ類などの調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜などの総菜関連事業、その他事業(ショップ事業、海外事業)を展開している。マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位、ロングライフサラダは国内1位の市場シェアである。

中期経営計画で掲げた「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」など、タマゴ加工品・サラダ類・総菜関連分野への事業拡大戦略を加速し、新商品を積極投入している。

業務用メーカーからの脱皮を目指し、13年9月販売開始した「サラダのプロがつくった」サラダシリーズのラインナップ充実など、BtoC市場への事業展開も強化している。

通販サイト「ケンコーマヨネーズオンラインショップ」もリニューアルし、15年2月にはインドネシア工場で製造し、インドネシアのハラール認証を取得して現地の一般消費者向けに販売しているマヨネーズタイプ「おマヨ/omayo」について、オンラインショップで販売開始した。

サラダカフェ事業は30店舗構想を掲げて百貨店やショッピングモールへのショップ展開を進めている。15年4月には17店舗目となる「Salad Cafe ルミネ立川店」がオープンした。

また14年11月に東芝<6502>と業務提携して、東芝の植物工場「東芝クリーンルームファーム横須賀」で生産した野菜に当社製粉末ドレッシングを添付したコラボレーション商品を「サラダカフェ」で販売している。

生産面では14年4月に、原料である「殻付き卵」から「タマゴ製品」まで一貫した生産システムを備えた静岡富士山工場が稼働した。さらに生産効率改善に向けた生産拠点統廃合も推進し、子会社の関東ダイエットエッグ新座工場(埼玉県)を14年9月に閉鎖して静岡富士山工場に生産集約した。

■中国事業は合弁解消だが、グローバル展開方針に変化なし

なお中国事業については15年6月に合弁を解消した。味全食品工業との合弁で持分法適用関連会社である頂可(香港)の当社が所有する全株式(出資比率50%)を頂全(開曼島)に譲渡した。14年10月に合弁相手先の関連会社による食の品質に関するコンプライアンス上の問題が発生したため合弁継続は難しいと判断した。

ただし今後もグローバル市場への積極展開を進める経営戦略に変更はなく、アジアだけでなく北米や欧州にも視野を広げていくとしている。

■16年3月期業績予想は増額含み

なお15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)147億41百万円、第2四半期(7月~9月)153億50百万円、第3四半期(10月~12月)157億64百万円、第4四半期(1月~3月)144億72百万円、営業利益は第1四半期6億35百万円、第2四半期7億59百万円、第3四半期9億31百万円、第4四半期6億76百万円だった。

また15年3月期の配当性向は19.9%だった。ROEは14年3月期比1.3ポイント上昇して9.6%、自己資本比率は同5.7ポイント上昇して45.5%となった。

今期(16年3月期)の連結業績予想(5月11日公表)は、売上高が前期比4.8%増の632億円、営業利益が同1.6%増の30億50百万円、経常利益が同8.0%増の30億円、純利益が同7.8%増の17億70百万円としている。

配当予想は同2円増配の年間25円(第2四半期末11円、期末14円)で予想配当性向は20.1%となる。配当については、連結ベースでの配当性向20%を意識して、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。

分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応戦略が奏功し、タマゴ加工品やサラダ類を中心に、コンビニエンスストア向けなどの新規採用が増加基調である。商品ラインナップの強化と高付加価値商品の拡販も寄与する。利益面では静岡富士山工場立ち上げ費用一巡、生産拠点統合に伴う費用一巡、静岡富士山工場の操業度上昇と生産効率改善、価格改定浸透効果なども寄与する。

第1四半期(4月~6月)は前年同期比9.1%増収、同29.8%営業増益、同33.5%経常増益、同2.4倍最終増益だった。タマゴ加工品やサラダ類を中心に新規採用が進み、売上高は計画を上回ったようだ。売上原価率は73.8%で同0.3ポイント低下した。増収効果、静岡富士山工場の操業度上昇効果に加えて、インドネシア事業が年間ベースでの黒字化に向けて収益改善していることも寄与した。純利益は関係会社株式売却益も寄与した。

セグメント別動向を見ると、調味料・加工食品事業は売上高が同7.5%増の132億52百万円、経常利益(全社費用等調整前)が同27.0%増の6億97百万円、総菜関連事業は売上高が同18.6%増の25億28百万円、経常利益が同36.5%増の1億42百万円、その他(ショップ事業、海外事業)は売上高が同9.0%増の3億02百万円、経常利益が68百万円の赤字(前年同期は76百万円の赤字)だった。

通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が25.5%、営業利益が27.0%、経常利益が25.8%、純利益が49.0%と高水準である。鶏卵や野菜などの原材料価格の動向が収益変動要因となるが、会社予想は保守的な印象が強く通期業績予想は増額含みだろう。

■中期経営計画で「サラダNO.1」目指す

新中期経営計画「KENKO Five Code 2015-2017」では、基本戦略を「サラダNO.1(Leading company)」のポジション確立、サラダ料理の更なる進化、グローバル市場への積極展開を進める経営基盤強化としている。そして経営目標値には18年3月期売上高750億円、経常利益率5%、自己資本比率50%、ROE8%以上維持を掲げている。

なお中期経営計画の取り組みとして15年7月、北米や欧州を中心とする食にまつわる情報収集拠点をカナダのバンクバーに新設した。バンクーバーリサーチオフィスでは市場演出型企業として、日本にはない新しい食文化をいち早くキャッチし、情報を発信していくとしている。

分野別・業態別チームによるきめ細かな営業対応、メニュー提案力の強化、新商品投入などの戦略が奏功し、中食市場の拡大も背景として、コンビニエンスストア・食品スーパー・外食向けに、タマゴ加工品・サラダ類・総菜の採用が拡大基調である。高付加価値商品拡販や生産効率改善も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。

■株価は急落した8月安値から切り返して売り一巡感

なお株主優待については毎年3月末日現在の株主に対して実施している。1単元(100株)以上~10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。

株価の動きを見ると、悪地合いの影響を受けて戻り高値圏1700円近辺でのモミ合いから下放れ、8月25日には直近安値となる1470円まで急落する場面があった。ただしその後は切り返して売り一巡感を強めている。

9月18日の終値1580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS124円55銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間25円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1264円38銭で算出)は1.2倍近辺である。なお時価総額は約225億円である。

週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、52週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。サポートラインを確認したようだ。16年3月期業績の会社予想は増額含みであり指標面に割高感はない。中期成長力も見直して高値圏を目指す展開だろう。

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