【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ジョルダンは15年9月期減額修正を織り込んで底打ち、16年9月期の収益改善期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ジョルダン<3710>(JQS)は経路検索ソフトなどの乗換案内事業を主力としている。9月17日に15年9月期業績予想の減額修正を発表した。株価は18日に急落する場面があったが、8月安値を割り込むことなく切り返す動きだ。15年9月期業績予想の減額修正を織り込んで底打ちした可能性があり、16年9月期の収益改善期待で出直り展開だろう。

■経路探索ソフトなどの乗換案内事業が主力

 乗換案内事業(無料版「乗換案内」、有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」、総合旅行サービス「乗換案内トラベル」、および広告、グルメ・運行情報サービスなど)を主力として、マルチメディア事業(電子出版・紙媒体出版、ニュース、教育、その他コンテンツ)や、その他事業(受託ソフトウェア開発、その他新サービス)も展開している。

 有料サービス「乗換案内NEXT」「乗換案内Plus」の15年3月末有料会員数は約42万人で、無料を含めた「乗換案内」の各種インターネットサービス検索回数は15年3月に月間約2億2000万回となった。また当該サービスの月間利用者数は約1200万人となっている。

 乗換案内事業では、鉄道の経路検索にとどまらず、路線バスの経路検索にも対応している。さらに利便性の高い「乗換案内」を目指して、今後は「駅から駅」「バス停からバス停」の案内にとどまらず、徒歩ルートを含めた「地点から地点」「場所から場所」案内を強化する方針だ。

■「移動に関するNO.1情報プロバイダー」目指す

 「移動に関するNO.1情報プロバイダー」を目指し、新サービス開発や機能充実に向けてM&A・アライアンス戦略も積極活用している。12年9月にグルメぴあネットワークを子会社化(13年4月吸収合併)、12年11月にネット旅行販売・情報提供のイーツアーを子会社化、14年7月に合弁で「ミール・プラス」事業のRemunera Jorudan(レムネラ・ジョルダン)を設立した。一方ではマルチメディア事業における不採算事業からの撤退を進めるとともに、新たな採算事業も模索している。

 15年4月には東京国際空港ターミナルと連携して、羽田空港国際線旅客ターミナルから目的地へ、また各地から羽田空港国際線旅客ターミナルへ、鉄道やバスを利用して移動する経路のアクセス検索サービス「TIAT ROUTE MASTER」のサービスを開始した。日本語だけでなく英語、中国語(簡体字・整体字)、韓国語の検索も可能だ。

 15年5月には訪日外国人旅行客をターゲットにしたルート案内ソリューション「乗換案内Visit」の提供を開始した。英語、中国語(簡体字・整体字)、韓国語に日本語を含めた5言語に対応する。乗換経路検索だけでなく、ゼンリン<9474>提供の多言語地図との連携により、多言語でのトータルルート案内サービスを実現した。

 15年5月にはVAIRON(東京都)と提携して、中国のTencentが運営するスマートフォン向けコミュニケーション・チャットアプリ「WeChat」の企業アカウント開設だけでなく、企業が効果的に「WeChat」を活用するための独自の開発を行う体制を整えた。訪日中国人の購買行動へ結びつけるブランドコミュニケーションを行うには、7億人ユーザーの「WeChat」への企業アカウント開設および運営が必須とされるため、共同で「WeChat」を活用するマーケティング活動をコンサルティングから開発まで提供する。

 15年6月には日本マイクロソフトのクラウド型グループウェア「Office365」と連携した「乗換案内Biz for Office」をリリースした。15年7月にはサイボウズ<4776>のクラウド型アプリケーション作成サービス「Kintone」と連携した旅費交通費精算用アプリ「旅費交通費精算with乗換案内Biz」をリリースした。いずれも企業における交通費精算業務の負担を軽減できる。

 15年8月には当社のスマートフォンアプリ「乗換案内」と、カーシェア・マップが開発したオリックス自動車専用スマートフォンアプリの連携を開始すると発表した。業界初の経路探索サービスとカーシェアの連携となる。

■15年9月期は一転して減収減益予想だが、16年9月期の収益改善期待

 今期(15年9月期)連結業績予想について9月17日に減額修正した。前回予想(11月13日公表)に対して、売上高は2億50百万円減額して前期比1.6%減の42億50百万円、営業利益は2億円減額して同31.0%減の4億円、経常利益は2億20百万円減額して同34.7%減の4億円、純利益が1億40百万円減額して同34.0%減の2億50百万円とした。

 増収増益予想から一転して減収減益予想となった。乗換案内事業の売上高が計画を下回ったことに加えて、営業外での持分法投資損失の発生も影響したようだ。配当予想は前回予想(11月13日公表)を据え置いて前期と同額の年間13円(期末一括)としている。予想配当性向は27.1%となる。

 なお第3四半期累計(10月~6月)は、売上高が前年同期比1.9%増の31億91百万円、営業利益が同29.7%減の3億17百万円、経常利益が同30.2%減の3億25百万円、純利益が同36.2%減の1億75百万円だった。子会社イーツアーの旅行関連が好調だったが、新製品・サービス開発に係る費用の増加、持分法投資損益の悪化、負ののれん発生益の一巡などで減益だった。

 四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(10月~12月)10億57百万円、第2四半期(1月~3月)11億76百万円、第3四半期(4月~6月)9億58百万円、営業利益は第1四半期94百万円、第2四半期1億84百万円、第3四半期39百万円だった。

 今期(15年9月期)は一転して減収減益予想となったが、来期(16年9月期)は訪日外国人旅行客の増加も背景として収益改善が期待される。中期的には20年東京夏季五輪開催も追い風だろう。

■株価は15年9月期業績予想減額修正を織り込んで底打ち

 株価の動きを見ると、悪地合いの影響で8月25日の年初来安値720円まで急落したが、その後は概ね800円近辺で推移している。15年9月期業績予想減額修正を嫌気して9月18日に721円まで調整する場面があったが、8月安値を割り込むことなく、終値では770円まで切り返して売り一巡感を強めている。

 9月24日の終値777円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円90銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間13円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS764円87銭で算出)は1.0倍近辺である。なお時価総額は約41億円である。

 週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、700円台で下ヒゲをつけて下げ渋る動きだ。15年9月期業績予想の減額修正を織り込んで底打ちした可能性がありそうだ。16年9月期の収益改善期待で出直り展開だろう。

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