【編集長の視点】モバイルファクトリーは3連騰、2Q累計業績上ぶれ着地を見直し下げ過ぎ訂正買いが増勢

編集長の視点

モバイルファクトリー<3912>(東マ)は、39円高の1320円と3営業日続伸して始まり、今年8月25日につけた上場来安値1139円からの底上げを鮮明化している。今年7月24日発表した今12月期第2四半期(2Q)累計業績が、今年3月26日の新規株式公開(IPO)時の予想値を上ぶれて着地したことを見直し下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。今年9月29日からエイチ・アイ・エス<HIS、9603>(東1)とO2O(オンラインtoオフライン)のコラボイベントを開催中であることも側面支援材料視されている。

■位置情報連動型ゲームの月間売り上げは4月以降、毎月過去最高を更新

2Q累計業績は、四半期決算が初作成となるため前年同期比較はなく、売り上げ8億円、営業利益1億3600万円、経常利益1億2800万円、純利益7500万円で着地し、IPO時予想を売り上げが1600万円、営業利益が2300万円、経常利益が2200万円、純利益が800万円それぞれ上回った。ソーシャルアプリサービスでは、コロプラ<3668>(東1)と位置情報連動型ゲーム『駅奪取PLUS』内でO2Oサービスの連携を開始し、東武鉄道<9001>(東1)とも日光東照宮四百年式年大祭のモバイルスタンプラリーを開始するなど各種企画を展開し、位置情報連動型ゲームの月別売り上げが、今年4月から6月まで月間最高を続け、スマートノベルでも、2Qに新作を3本リリース、コンテンツサービスでも、継続的に広告出向管理を行い収益の安定化に取り組んだことなどが上ぶれ着地につながった。

12月通期業績はIPO時予想を据え置き、売り上げ16億3300万円(前期比6.1%増)、営業利益2億4100万円(同14.2%増)、経常利益2億3400万円(同10.3%増)、純利益1億4700万円(同24.8%増)と14期連続増益を予想、純利益は連続して過去最高を更新する。なお2Q累計利益は、この12月通期予想業績に対して56~51%と目安の50%を上回る順調な進捗率を示しており、期末にかけて業績上ぶれ期待も高まってくる。

一方、HISとのコラボイベントは、同社の位置ゲーム『ステーションメモリーズ!』で「ハウステンボス駅」と「ハウステンボス」、「京コンピュータ前駅」と「神戸どうぶつ王国」の2カ所の駅と観光施設を対象に9月29日から11月30日まで実施するもので、ゲームユーザーの観光地への移動によりイベント対象駅や観光施設、その周辺地域の活性化を図る。

■最高値から「半値八掛け2割引」の底打ちを示唆しまず公開価格を奪回

株価は、公開価格1410円でIPOされて2812円で初値をつけ、連続ストップ高を交えて上場来高値3840円まで買い進まれ公開価格比2.7倍と大化けしたが、その後の信用取引規制や全般相場急落の影響を受けて下値調整が続き、公開価格を割る上場来安値1139円まで突っ込んだ。この最安値は、テクニカル的に底打ちを示唆する投資セオリーの「半値八掛け2割引き」水準を下回っており、下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。まず公開価格奪回から弾みをつけ一段の底上げ展開が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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