【株式評論家の視点】山下医科器械は今期の減益はほぼ織込む、PBR0.7倍で中期仕込み場

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

山下医科器械<3022>(東1)は、12月17日(水)20円(1.23%)安の1601円と4営業日続落しているが、下値圏に接近し値ごろ感が出始めており、中長期的な視点で突っ込み買い妙味が膨らむ。

同社は、地域性・顧客セグメント・事業分野などを考慮して、双方の経営資源を保管しあうことのできる事業提携や、同社の総合力をさらに拡大し「トータル・メディカル・サポート」として、医療機器ディーラーという枠を超えた、医療機器事業、低侵襲治療事業、ソリューション事業、メディカルサービス事業を展開している。足元の業績は、2015年5月期第2四半期業績予想が売上高219億7500万円(前年同期比7.0%減)、営業利益4500万円(同90.1%減)、経常利益8900万円(同81.7%減)、純利益6100万円(同78.4%減)になる見通し。

通期業績予想は売上高463億4800万円(前期比9.2%減)、営業利益2億2600万円(同73.0%減)、経常利益3億1100万円(同62.3%減)、純利益1億7100万円(同68.9%減)になる見通し。年間配当は期末一括20円を予定している。基盤事業の強化のためSPD事業の拡大に取り組み、医療機関における消耗品管理の効率化やコスト削減提案を進め、契約施設の増加を図っている。それによりSPD契約施設数は増加しているが、独立行政法人国立病院機構の指名停止措置が上半期中継続することや、病院の建替え等の大型の設備案件が減少すること、また償還価格の下落や消費増税前の駆け込み需要の反動等の諸要因により、営業努力にもかかわらず、減収減益を予想している。

株価は、9月24日高値1747円、10月22日高値1749円と買い直された後、モミ合い下放れで調整を続けているが、8月12日安値1588円に接近しており、値ごろ感が出始めている。日本における高齢化社会は深刻なもので、2010年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」の「社会保障・税一体改革」において、2025年に向けた医療提供体制の機能再編が示され、入院医療の機能分化と強化と連携、在宅医療の充実、そして在宅介護の充実を柱としている。今後、医療と介護の連携が強化され、入院患者へのサービスを充実させていくための整備が進められる方針で、医療機器メーカーと医療機関を結びつけるパイプ役を担う同社は「トータル・メディカル・サポート企業」として地域医療に貢献することが期待されている。PBR0.75倍と割り負け、今期の業績予想をほぼ織り込みつつあり、ここからの突っ込み場面は中長期的な視点で買い妙味が膨らもう。(信濃川)

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