【株式評論家の視点】日産化学工業は京都大学と共同でiPS細胞の大量培養法を開発を見直す

株式評論家の視点

■2000円前後に買い妙味

<銘柄の見所>

株式評論家の視点 日産化学工業(4021・東1・売買単位100株)は、2014年5月の1385円を起点に上昇パターンを描いてきた同社株は、12月8日に2334円まで買い進まれた。これは自社株買い(276万3600株)を背景にしたものだが、さすがに7割近い上昇率となったことから、目先の利食い売り圧力が増すのは当然。このため、2000円前後まで下押したが、売り物は減少しつつある。その反面、信用売りの買い戻しと、小口ながら個人投資家の買いが入りはじめた。加えて、もともと外国人投資家好みの銘柄という事もあって、需給関係は再び引き締まってくることが予想される。

チャート的にも三段上げパターンを形成しつつあり、高値2334円抜けから2500円接近もあると判断できる。

この強気の背景には、京都大学と共同で同社はiPS細胞の大量培養法を開発したことが引き続き買い材料として根強く高評価されている。そして順調に推移している業績も支援材料として見逃してはならない。

主力事業のひとつである機能性材料事業はスマートフォンを中心にした中小型向けディスプレイ材料の伸長と、半導体の微細化に伴って半導体材料の好調から売上高は拡大中。ちなみに同事業の今期売上高は483億円(前期実績428億円)が見込まれている。また農薬化学品事業も非選択性茎葉処理除草剤「ラウンドアップ」や水稲用除草剤「アルテア」が大幅な増収となっていることから同事業の売上高は453億円(同391億円)に伸びる見通しだ。

医薬品事業の不振などをカバーして、2015年3月期は売上高1710億円(前期比4.5%増)、経常利益248億円(同4.5%増)、当期純利益178億円(同6.6%増)を最低、確保する見込みである。予想一株当たり利益は110円92銭(前期102円10銭)にアップする。配当は年30円と高水準をキープする方針である。

こうしたことを材料にして株価は目先、ひと回転が期待できる。さらに中長期的にも狙える銘柄としてクローズアップされる公算が大きい。(志木克己)

 

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