【株式評論家の視点】JSPは9月中間、通期とも大幅増益、中堅証券が株価レーティング引上げ

株式評論家の視点

JSP<7942>(東1)は、発砲プラスチックの総合メーカーで、発砲技術を軸に大きく生活産業資材事業部、建築土木資材事業部、高機能材事業部、EPS事業部の4つの事業分野を展開している。独自の発泡技術を駆使して石油化学原料を加工し、自動車用緩衝材・各種部材、産業用包装材・緩衝材、建築土木用資材、IT関連材料などの様々な化学製品を生産し、暮らしのあらゆる分野へ提供している。

今2016年3月期・第2四半期業績予想は、売上高が587億円(前年同期比0.77%増)、営業利益が34億円(同27.2%増)、経常利益が34億円(同15.8%増)、純利益が26億5000万円(同22.8%増)を見込む。

通期業績予想は、売上高が1190億円(前期比1.8%増)、営業利益が70億円(同23.5%増)、経常利益が71億円(同17.5%増)、純利益が48億円(同18.8%増)を見込む。年間配当は30円継続を予定している。

第1四半期は、海外事業が堅調な需要に支えられ売上は増加。国内事業は需要の減少や製品価格改定の影響により売上は減少したが、原燃料価格の低下や国内事業において償却方法の変更による減価償却費の減少等による製造コストが低下、製品価格の維持や独自技術に基づいた付加価値の高い製品の販売量の増加したほか、海外事業における販売量の増加や円安による円換算額の増加などにより営業増益着地し、ほぼ計画通りに進捗している。

株価は、3月6日につけた年初来高値2644円から9月7日の年初来安値1816円まで調整していたが、10月6日付でいちよし経済研究所がレーティングを「B」から「A」へ格上げ、フェアバリューは2400円から2500円へ引き上げたことを手掛かり材料に、10月26日高値2525円と上昇。その後、モミ合っている。同経済研究所では、主要原材料の価格下落を背景にビーズ事業の採算改善が続いていること、主力の自動車向けEPP(発砲ポリプロピレン)で原単位(1台あたり搭載単価)の上昇が見込まれることを評価しており、29日に予定される第2四半期決算の発表で、市場予想を上回る進捗状況が確認されれば、高値奪回も視野に入りそうだ。(株式評論家&アナリスト・信濃川)

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