【アナリスト水田雅展の銘柄分析】山田コンサルティンググループは16年3月期第2四半期累計は減収減益だが、通期は増収増益基調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 山田コンサルティンググループ<4792>(JQS)は経営・財務・M&A関連のコンサルティング事業などを展開している。26日発表した第2四半期累計業績は減収減益だったが、株価にネガティブ反応は見られない。下値固めが完了したようだ。16年3月期通期は増収増益基調であり、3%台の配当利回りや自己株式取得も見直して反発展開だろう。

■各種コンサルティング事業を展開する純粋持株会社

 各種コンサルティング事業を展開するグループの純粋持株会社である。傘下の事業会社で、山田ビジネスコンサルティングが経営・財務・事業承継・M&A支援などの経営コンサルティング事業、山田FASがM&A・企業再編の財務アドバイザイリー業務や中堅・中小企業対応M&A関連業務などの資本・株式・株主に関するコンサルティング事業、山田不動産コンサルティングが不動産有効活用などの不動産コンサルティング事業、東京ファイナンシャルプランナーズがFP資格取得講座などのFP関連事業、キャピタルソリューションおよび投資事業有限責任組合が投資・ファンド事業(事業承継・再生関連のファンド)を展開している。

 中期経営目標としてROE20%以上を掲げ、重点戦略としては大手金融機関・証券会社・地方金融機関・提携会計事務所との連携強化、中堅・中小企業対応M&A関連分野の拡大、中国現地法人およびシンガポール支店を拠点とした中国・アジア展開の強化などを推進している。投資・ファンド事業では、事業承継問題を抱えている優良な中堅・中小企業をターゲットとして、投資リスクを最小限に抑えながら投資案件を発掘している。

 またコンサルティングニーズが「事業再生」だけでなく「事業成長」も顕在化しているため、こうしたニーズに対応すべく、主力の経営コンサルティング事業では「事業再生コンサル」「事業成長コンサル」「事業承継・M&Aコンサル」を3本柱とするビジネスモデルへの変換を進めている。そして事業再生や事業承継を切り口としてM&Aコンサルを拡大している。

■案件によって変動しやすい収益構造

 15年3月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)20億86百万円、第2四半期(7月~9月)20億59百万円、第3四半期(10月~12月)18億25百万円、第4四半期(1月~3月)25億11百万円、営業利益は第1四半期5億33百万円、第2四半期4億28百万円、第3四半期2億48百万円、第4四半期8億円だった。好採算案件や大型案件の有無で四半期利益が変動しやすい収益構造だ。

 15年3月期のM&A関連売上は、経営コンサルタント事業で28件・10億22百万円(14年3月期は17件・5億円)、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業で15件・5億53百万円(同8件・1億67百万円)だった。件数は増加基調で大型案件も寄与した。

 また15年3月期の配当性向は34.8%だった。ROEは14年3月期比6.4ポイント低下して17.8%、自己資本比率は同5.2ポイント低下して81.9%となった。

■16年3月期第2四半期累計は減収減益だが、通期では増収増益基調

 10月26日発表した今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.8%減の40億69百万円、営業利益が同23.2%減の7億37百万円、経常利益が同33.0%減の6億99百万円、純利益が同31.7%減の4億42百万円だった。

 経営コンサルティング事業および資本・株式・株主に関するコンサルティング事業において前年同期のような大型案件の売上計上がなく、さらに業容拡大に向けた販管費の増加も影響して減収減益だった。ただし案件の引き合い・受注は総じて順調のようだ。

 セグメント別売上高(連結調整前)は経営コンサルタント事業が同1.2%減の28億53百万円、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業が同28.2%減の4億03百万円、不動産コンサルティング事業が同39.6%増の5億04百万円、FP関連事業が同17.9%増の4億19百万円、投資ファンド事業が0(前年同期は40百万円)だった。

 M&A関連売上は、経営コンサルタント事業で14件・4億51百万円(前年同期は8件・6億03百万円)、資本・株式・株主に関するコンサルティング事業で4件・1億07百万円(前年同期は5件・3億27百万円)だった。また不動産コンサルティング事業における15年9月末時点の提携会計事務所は15年3月末比34増加の309となった。

 なお四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)18億44百万円、第2四半期(7月~9月)22億25百万円、営業利益は第1四半期1億80百万円、第2四半期5億57百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(4月28日公表)を据え置いて、売上高が前期比6.1%増の90億円、営業利益が同4.9%増の21億10百万円、経常利益が同2.1%減の21億60百万円、純利益が同1.2%増の14億円としている。なお投資・ファンド事業では投資株式の売却損益を見込んでいない。配当予想も前回予想(4月28日公表)を据え置いて、同10円増配の年間110円(第2四半期末55円、期末55円)としている。予想配当性向は37.6%となる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が45.2%、営業利益が34.9%、経常利益が32.4%、純利益が31.6%である。低水準の形だが、好採算案件や大型案件の有無によって四半期別収益が変動しやすい構造であり、現時点ではネガティブ要因とはならない。

 経営コンサルタント事業および資本・株式・株主に関するコンサルティング事業は、事業承継・成長関連やM&A関連の引き合い・受注が順調なため、通期では計画水準を確保する見込みだ。また不動産コンサルティング事業とFP関連事業も順調に推移する。通期ベースでは増収増益基調だろう。

■株価は下値固め完了

 なお4月28日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限6万株、取得価額総額の上限2億円、取得期間15年5月1日~16年3月18日)については、9月30日時点の累計で取得株式総数が1万8000株、取得価額総額が6220万4000円となっている。

 株価の動きを見ると、年初来安値圏3000円~3400円近辺でモミ合う展開だ。ただし8月の年初来安値2970円を割り込むことなく、下値固め完了感を強めている。第2四半期累計の減収減益に対するネガティブ反応は見られない。

 10月29日の終値3290円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS292円80銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間110円で算出)は3.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1695円57銭で算出)は1.9倍近辺である。なお時価総額は約164億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。3000円近辺で下値固めが完了したようだ。16年3月期通期ベースでは増収増益基調であり、3%台の配当利回りや自己株式取得も見直して反発展開だろう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    新着記事

    ピックアップ記事

    1. ■東京2020オリンピック競技大会まであと200日!  東京2020大会のゴールド証券パート…
    2.  2020年1月6日(月)、日本取引所グループ(JPX)は東京証券取引所で新年恒例の「大発会」を…
    3. 株式市場における主要テーマとして注目  ブロックチェーンの技術を活用した新たな金融サービスの…
    2020年9月
    « 8月    
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  

    アーカイブ

    IRインタビュー 一覧

    テンポイノベーション・原康雄社長 アルコニックスの竹井正人社長 JPホールディングス・古川浩一郎社長に聞く Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く イワキの岩城慶太郎副社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る