【編集長の視点】ヤマハ発動機はもみ合いもラグビーの「五郎丸」人気再燃に3Q決算発表先取りがオンして割安修正余地

編集長の視点

ヤマハ発動機<7272>(東1)は、寄り付きの27円高から下ぶれ16円安の2703円と4日続落するなど、前日終値を挟んでもみ合いを続けている。8月25日につけた年初来安値2108円から35%高の底上げをし、戻り売りや目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ同社株は、英国で開催中のラグビーのワールドカップで、日本代表が、史上初めて3勝を上げ、ここで活躍したフルバックの五郎丸歩選手が、社会人ラグビーのトップリーグの「ヤマハ発動機ジュビロ」に所属しており、トップリーグが、11月13日に開幕し、14日には同チームが、「トヨタ自動車ヴェルブリッツ」と対戦することから、再び盛り上がると期待される「五郎丸」人気が、同社株にも波及するほか、業績的にも、同社が11月6日予定の今12月期第3四半期(3Q)決算発表時に業績上ぶれも有力で、下値から割安修正に再発進する展開も想定されている。

■前期も3Q決算発表時に通期業績を上方修正し期末配当を増配

五郎丸選手は、「ヤマハ発動機ジュビロ」でフルバックとして活躍し、同チームは、2014ー2015年トップリーグでは準優勝するとともに、今年2月開催の日本ラグビーフットボール選手権で優勝するなど輝かしい成績を残している。監督は、清宮克幸氏で、同氏は、今夏の高校野球甲子園大会でベスト4まで勝ち上がった早稲田実業の清宮幸太郎選手の父親で、「清宮パパ」として著名であるばかりでなく、後任選びが続いている日本代表のヘッドコーチ(監督)の有力な候補者の一人と目されている。トップリーグの開幕戦は、それだけ話題が豊富で、マスコミへの露出度が増え、同社株価にも好波及するとの思惑につながっている。

今12月期業績も、好調に推移している。今期第2四半期(2Q)累計業績は、市場コンセンサスを上回り前年同期比8.6%増収、51.5%経常増益、61.7%純益増益と大幅続伸して着地し、期初予想の12月通期業績に対する利益進捗率は、60~68%と目安の50%を上回った。米国向けの大型バイクが好調に推移し、ベトナム向けも想定を上回り、円安による為替差益が発生したことが要因となった。

12月通期業績は、売り上げ1兆7000億円(前期比11.8%増)、経常利益1230億円(同26.4%増)、純利益760億円(同11.0%増)と見込んでいるが、2Q累計業績の高利益進捗率から上ぶれ期待も高まっている。前期業績も、3Q決算発表時の昨年11月に上方修正、期末配当の増配を合わせて発表しており、再現も想定されるだけに、11月6日発表予定の3Q決算が要マークとなる。

■高値からの調整幅の3分の2戻し水準からPER12倍台の割安修正で全値戻し有力

株価は、年初来高値3245円から世界同時株安の渦中で同安値2108円まで35%安となり、この調整幅の3分の2戻し水準まで復元している。PERは12倍台となお割安であり、全値戻しへスピードアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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