【高見沢健のマーケット&銘柄ウォッチ】年明け以降、原油安が長引けばロシア危機再燃

高見沢健のマーケット&銘柄ウォッチ

原油価格の急落を契機に投資マネーのリスク回避が強まっている。ロシア・ルーブルの大幅下落がブラジル・レアルや豪ドルなど資源国通貨やインドネシア・ルピアなどの新興国通貨の下げにも波及。

株式市場ではエネルギー関連株の下げが、また債券市場では低格付けで利回りの高いハイイールド債の下げが加速している。

ルーブルの急落を背景に、金融市場の一部では石油大手ロスネフチに資金繰り懸念が発生し、欧米の金融関連に信用不安が広がるリスクも意識されている。

1997~98年にかけてアジア通貨危機がルーブルに波及し、ロシア危機から米国のLTCMが破綻に至ったケースが想起されるが、現在、ロシアの国家機関と中央銀行の対外債務はトータルでGDPの4%未満にとどまっているだけに、直ちに欧米に信用不安が連鎖するリスクは小さいと言えよう。

ただ、年明け以降も原油安が長引く場合には、ルーブルの動向と共に注意深く見極める必要があろう。(証券ジャーナリスト)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る