【編集長の視点】グリーンペプタイドは反落も下値にはがんワクチンの米国第Ⅰ相臨床試験開始で下げ過ぎ訂正買いが継続

編集長の視点

グリーンペプタイド<4594>(東マ)は、22円安の345円と反落して始まっている。同社株は、今年10月22日に公開価格450円で新規株式公開(IPO)され414円で初値を形成し474円と買い直され上場来高値をつけたあと上場来安値310円まで売られ、同安値から50円幅の底上げをしたところで、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値には、同社の重要パイプラインのがんペプチドワクチン「GRNー1201」が、米国で第1相臨床試験を開始することになったことを見直して下げ過ぎ訂正買いが継続しており、寄り付きの安値からは値下がり幅をやや縮小させている。

■厚労省などががん免疫治療薬の開発加速化に向け環境整備

「GRN-1201」は、欧米人が多く有するヒト白血球抗原に対応した4種類のがん抗原タンパク由来のペプチドから構成されるがんぺプチドワクチンで、同社が、今年10月5日に米国食品医薬品局(FDA)に申請した治験届が、FDAによって審査を完了し、第1相臨床試験を開始することになったもので、グローバル製薬企業へのライセンス・アウトを視野に入れ、メラノーマ(悪性黒色腫)を第1適応として実施する。

同剤を含むがん免疫治療薬は、人間の体が本来持っている免疫機能を使ってがん細胞を攻撃するもので、世界の医薬品企業が注目する開発領域の一つで、日本でも昨年7月に免疫チェックポイント阻害剤が世界に先駆けて承認され、2014年に厚生労働省により免疫療法開発のためのガイドラインが作成されるなど、開発加速化の環境整備が進められており、同社は、パイプラインとして「GRNー1201」のほかがんペプチドワクチン「ITKー1」も開発している。とくに「ITKー1」は、富士フイルムにライセンス・アウト済みで前立腺がんを適応に第3相臨床試験の実施を委託され、開発協力金を受領している。

業績は、バイオベンチャー企業として売り上げには開発協力金を計上するものの、それ以上に免疫治療薬の研究開発費が先行して発生するため赤字が続いている。今3月期業績は、売り上げが8億3200万円(前期比1.3%増)と増収となるが、利益は、「GRNー1201」の米国での第1相臨床試験の研究開発費8億1400万円を見込み、経常損失13億2800万円(前期は4億1300万円の経常損失)、純損失13億2900万円(同4億1200万円の純損失)と予想している。

■IPO株の投資鉄則通りに「小さく産んで大きく育てる」展開も有力

株価は、上場来高値から同安値まで34%の調整をし、この調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドしもみ合っているところである。ただ、まだ公開価格を下回った水準にあり、がん免疫療法は、画期的な治療法として期待も高まっているだけにバイオ関連株人気を高める展開も想定され、IPO株の投資鉄則通りに「小さく産んで大きく育てる」対処法も十分妙味があろう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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