【編集長の視点】バルニバービは反落も連続最高業績を見直し直近IPO株買いで再底上げ余地

編集長の視点

バルニバービ<3418>(東マ)は、85円安の3600円と反落して始まり、今年11月5日につけた上場来安値3595円を窺っている。きょう16日の日経平均株価が、前週末13日の米国ニューヨク・ダウ工業株平均の続急落に、14日に起こったフランスでのテロ事件が重なって344円安と大幅続落してスタートしたことから、再び最安値を確かめる動きとなっている。ただ同社の今7月期業績は、連続して過去最高更新と予想されており、これを手掛かりに下げ過ぎとしてディフェンシブ関連の直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃する展開も想定される。今期の積極的な店舗政策に基づき、今年11月に東京都台東区に2店舗、大阪市天王寺区に1店舗を各新規オープンしたことも、フォローの材料となりそうだ。

■バッドロケーション戦略の独自ビジネスモデルを展開し業績が高成長

同社株は、今年10月28日に公開価格2500円でIPOされ、今年最大のIPOイベントとなった11月4日の日本郵政<6178>(東1)グループのIPO直前にもかかわらず、公開価格比2.3倍の5750円で初値をつけ同日に上場来高値6430円まで買い進まれる高人気となった。多様な業態店を展開する外食チェーン店とオールドエコノミー業種に属するが、公開価格が、PER15倍台と割安なうえに、同業企業が出店を敬遠する水辺・公園などの悪立地エリアに敢えて新規出店するバッドロケーション戦略を推進して、周辺地域の集客力を高めて付加価値を向上させるとともに、自社店舗も高収益化する独自ビジネスモデルを展開して業績が高成長し、店舗展開も、自社ブランドのレストラン店舗や海外ブランドとの提携店舗、スイーツ店舗、さらにアスリート食堂などの新業態店を相次いで開発していることが高評価された。

業績も高成長を続けており、今7月期業績は、売り上げ85億5100万円(前期比28.7%増)、経常利益5億5700万円(同15.9%増)、純利益3億2200万円(同8.9%増)と予想されており、連続した過去最高を更新する。新規出店は、前期の16店舗に対して今期も17店舗と積極継続し、IPO時点ではこのうち12店舗の出店が決定されており、11月7日には東京都台東区に2店舗を同時オープンするとともに、11月14日には大阪天王寺公園エントランスエリアにガーデンピツェリア「青いナポリ」の2号店をオープンした。今年12月には今期第1四半期決算の発表を予定しており、業績の進捗度合いを注目されることになる。

■新規店舗の話題性に日本郵政のセカンダリーへの連想もオンして底上げ展開に再発進

株価は、上場来高値6430円をつけたあと、さすがに日本郵政グループ3社のIPOの影響でストップ高、ストップ安を交えて値動きが大幅化し、上場来安値3595円まで調整した。同安値は、初値を下回って下げ過ぎとして調整幅の3分の1戻し目前の4435円までリバウンドしたあと、再び下値を固めている。新規出店店舗の話題性や、日本郵政がIPO直後に一服場面からのセカンダリーでは最高値追いとなっていることへの連想も働き、底上げ展開に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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