東証第1部へ市場変更の北の達人は需給好転思惑が再燃し急反発

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【編集長の視点】

北の達人コーポレーション<2930>(東1)は、きょう24日に東証第2部から第1部に市場変更がされ売買がスタートしたが、連休前20日の第2部終値に対して20円高の690円と3営業日ぶりに急反発して始まっている。市場変更に際して新株式発行などの希薄化懸念がなく、市場変更後に東証株価指数(TOPIX)に算入され、TOPIX連動型ファンドなどの買い需要が発生する需要好転が再び見直され買い再燃となっている。スキンケア商品などにアジアからの訪日観光客のリピートが続いている「インバウンド(外国人観光客)」需要関連株人気も、合わせて買い手掛かりとなっている。

■4年連続で市場変更し株式分割、実質連続増配など還元策にも前向き

同社は、きょう24日に東証第1部に市場変更されたが、この市場変更は、2012年以来4年連続で4回目となっている。まず2012年12月に札幌証券取引所・アンビシャス市場に新規上場されたあと、2013年3月には札幌証券取引所の本則市場に市場変更され、2014年11月に東証第2部市場に新規上場され、さらに今回の東証第1部への市場変更となっている。昨年11月の東証2部への上場に際しては、新株式発行(発行価格838円)・株式売出を伴い、株価はやや下ぶれたが、今年5月には株式分割(1対2、基準日5月31日)を発表し、今2月期配当を実質連続増配するなど株主の利益還元策にも前向きである。 業績も好調で、今2月期業績は、売り上げ22億8100万円(前期比17.7%増)、経常利益4億8300万円(同8.3%増)、純利益3億1200万円(同16.4%増)と続伸を予想、純利益は、連続して過去最高を更新する。健康食品・化粧品の通販サイト「北の快適工房」で著名なタレントを数多く起用してプロモーションを積極化し、シリーズ新製品の「みんなの肌潤糖クリア」が、10代の新規顧客を獲得し、スキンケア商品「二十年ほいっぷ」もアジアの新規顧客が増加し、実店舗でも、今年8月に北海道札幌市にショールーム兼アンテナショップを開設し、インバウンド需要を取り組みことなどが要因となる。

■値ごろ妙味のインバウンド株評価もオンし分割権利落ち埋めを目指す

株価は、株式分割を歓迎して993円高値まで23%高して972円で分割権利を落とし、落ち後に落ち後高値805円をつけ、いったん株式分割発表前の株価水準まで戻したが、今期第1四半期業績、第2四半期累計業績が、広告宣伝費負担で減益転換して着地したことや、世界同時株安の波及も響いて分割落ち後安値435円まで突っ込んだ。同安値からは下げ過ぎとして25日移動平均線水準まで戻し、市場変更承認とともに711円の戻り高値をつけた。PER・PBR評価の投資採算面で割安感は小さいが、値ごろ妙味のあるインバウンド関連株との見直しに加え需給好転の現実買いもオンして落ち後高値抜けから分割落ち埋めを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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