『日本が産油国になる期待を込めて』=東証1部上場のユーグレナ(コード番号2931)が、1日、羽田空港の倉庫内で記者会見を開いた。本紙の記者も参加、寒いからと配布された防寒チョッキとホカロンをまとい、「ミドリムシ燃料で飛行機を飛ばす」発表に臨んだという。
ミドリムシは微細藻で光合成により栄養素を蓄え、生き物のように水中を動きまわるという変わり者。人体に必要な栄養素をほとんど含んでいるということでアメリカではスーパーフードとして急速に注目を浴びているといい、将来、世界の食糧難を解決できるであろうとして注目されている。また、油分を含んでいることから燃料としての開発実用化が進められており、既に、ユーグレナといすゞ自動車がディーゼル車用に試験走行を行っている。
そして、このほど、ジェット機燃料用に目処がつき実証プラントを、環境・エネルギー分野の拠点形成を目指す横浜市の京浜臨海部に2017年前半の稼動開始を目標に建設すると発表した。横浜市、千代田化工建設<6366>、伊藤忠エネクス<8133>、いすゞ自動車<7202>、ANAホールディングス<9202>などとの提携で進めていく。
まだ実証プラントで、飛行機燃料に必要な膨大な量ということではないが、今日のマーケットでは291円高の2015円と急伸している。しかし、年初来高値2177円(2月23日)を更新するまでに至っていない。既に、以前より同社の出雲充社長が「2020年の東京オリンピックではミドリムシで飛行機を飛ばす」と述べていたことから材料としては特別新鮮ということでもないからだ。「先行き日本が産油国になる期待があるというほどの大きい材料だが、今後、大量生産で価格をどこまで引き下げることができるかを株価は注視していくことになるだろう」(中堅証券)ということだ。