5月ころに訪れたときは、銀杏の大木が新緑に輝いていたが、今は、すっかり錦色に染まって白い洋館を柔らかく包み込んでいた。朝、早くに出かけた。東からの眩い光で建物はシルエットだが銀杏は冬の光を美しく反射している。人は多いが、日本人だけでホッとする。ほんとうは、玄関先いっぱいに落ちて広がった銀杏の絨毯をカメラに収めるつもりだったが、係りの人は、「今年はいつもより遅れているんです」とのこと。
今回は始めて建物内の雰囲気を味わった。和洋折衷、三菱創業・岩崎家の本邸だけに、凄いの、ひと言に尽きる。たくさんの洋室から畳の部屋に足を踏み入れれば、広い庭園を眺めながらチーズケーキセットで別世界の気分を味わえる。
以前、京都の野村別邸を見学する機会があったが、東山を背景に、凄い造りに、さすがと感じたものだった。しかし、大阪の商人の別邸も凄いが、この岩崎邸、古河邸は関西の比ではないように感じられる。
「なぜだろう」と、コーヒーを口にしながら思いをめぐらせる。東西とも商人であることには変わりはないはず・・・・。「そうか。東は政治と結びついた国策の商売なのだろう」と。果たして、実際はどうなのだろう。また、訪れてみよう、見方が変わるのではなかろうか。なお、パンダの写真は岩崎低に向かう上野忍ばずの池近くにありほほえましく迎えてくれる。