【木村隆のマーケット&銘柄観察】クミアイ化学は除草剤「ピロキサスルホン」が収益を牽引

木村隆のマーケット&銘柄観察

クミアイ化学<4996>(東1)が新値圏に浮上している。好業績見通しがポイントだが、その予想が会社側の見通しを大きく上回る可能性が強くなっている。好業績株買いの評価がもう一段スケールアップする場面が想定できる。

同社は農薬開発のパイオニアである。主力の化学品事業では殺虫剤、除草剤、殺菌剤などのほか、微生物農薬も手掛ける。業績は、水稲用除草剤などの農薬販売のピークにあたる第2四半期(2~4月)の割合が大きくなる傾向がある。

証券会社がレーティング最上位を継続、目標価格を840円から1090円に大幅に引き上げたことが人気化の手掛かり。除草剤「ピロキサスルホン」が収益を牽引している。小麦や大豆、棉、トウモロコシ、ジャガイモ、タマネギなどの多くの農作物に使われ、既存薬に比べて約10分の1の低薬量で高い効果が期待できる。農薬登録は豪州、米国、カナダ、南アフリカで取得しており、海外での販売が拡大している。

水稲用除草剤分野では、新たに登録を取得した「フェノキサスルホン剤」に加え、既存の「ピリミスルファン剤」、「トップガン剤」の拡販を進め、シェアアップを図る。園芸殺菌剤分野では、引き続き、「ファンタジスタ剤」、「ベンチアバリカルブ剤」の拡販に取り組む。

この結果、今2015年10月期の営業利益は会社側見通しの34億円を大きく上回る42億円(前期26億2900万円)に達する可能性が強くなってきた。来期も大幅増益が見こまれている。買い余地は大きい。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る