【近況リポート】コラボスは全サービスが過去最高の売上高と好調であることから、株価の反発が期待できる

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■株価は6000円台を割り込み、5000円台の安値圏で推移

 コラボス<3908>(東マ)は、クラウド型コールセンター・ソリューションのNO.1企業である。11月6日に第2四半期業績を上方修正したものの、通期業績予想を当初予想に据え置いたことで、株価は6000円台を割り込み、5000円台の安値圏で推移している。全サービスが過去最高の売上高と好調であることから、株価の反発が期待できる。

■クラウド型コールセンター・ソリューションのNO.1企業

 01年10月ITXの子会社として設立、10年7月親会社がITXからオリンパスビジネスクリエイツに異動、11年6月株式公開に向けてMBOを実施、15年3月東証マザーズに新規上場した。

 VOIP技術(IPネットワーク上で音声を送受信する通信技術の総称)を利用したクラウド型コールセンター・ソリューションのパイオニアで、シェアNO.1企業である。企業が保有するお客様相談室や製品問い合わせセンターなどのコールセンター向けに、IP電話交換機システムや顧客情報管理(CRM)システムをワンストップクラウドサービスで提供している。

 従来の自社内に設備を持って運用するオンプレミス型コールセンターの場合は、システム・機器の導入に関する高額な設備投資やシステム運用費用が必要だったが、クラウド型コールセンターでは少ない初期費用と月額料金で運用でき、導入に要する期間短縮や短納期での移転・席数増減にも対応できるというメリットがある。このためコールセンターシステムの自社内オンプレミス型からクラウドサービス利用へとシフトする企業が増加している。

 そして当社のワンストップクラウド型サービスの経済性と高機能性の両立が評価されて顧客数は増加基調だ。200席超の大規模コールセンターから5席前後の小規模コールセンターまで、大手テレマーケティング会社を含めて規模を問わず豊富な導入実績(約300社4000席の稼働実績)を持ち、クラウド型コールセンターサービス(音声系プラットフォーム)の市場シェア1位である。

■月額利用料金課金のストック型ビジネスモデル

 サービスラインナップはクラウド型で提供される電話交換機システムおよび顧客情報管理(CRM)システムで構成され、顧客情報自動検索や自動発信・自動登録などの機能で連携している。コールセンターの規模、インバウンド(受信)やアウトバウンド(発信)などの顧客ニーズに合わせて、最適な組み合わせのサービスを提案し、ワンストップサービスを提供できることが強みだ。

 主力サービスは02年5月サービス開始した「@nyplace(エニプレイス)」である。米AVAYA社製のIP電話交換機システムをクラウドで提供するインバウンド向けサービスだ。12年2月サービス開始した「COLLABOS PHONE」は、小規模コールセンター向けに当社オリジナルのソフトフォン型電話交換機能をクラウドで提供している。低価格・短納期で、統計管理に必要なレポート機能や録音機能なども実装している。

 なお10月19日には「COLLABOS PHONE」のメジャーバージョンアップを実施した「COLLABOS PHONE Ver2.0.0」の販売を開始した。対応可能席数の拡張などの機能拡充を実施した。

 07年4月サービス開始した「COLLABOS CRM」は、コールセンターに特化した機能構成でインバウンド業務に適した顧客情報管理システム(アプリケーション)である。10年11月サービス開始した「COLLABOS CRM Outbound Edition」は、発信リスト作成や自動架電・クリック架電機能などを備えて、アウトバウンド業務に適した顧客情報管理システム(アプリケーション)である。いずれもクラウドでサービスを提供する。

 収益は月額利用料金課金型である。利用コールセンター席数、利用チャネル数(同時回線接続数)、利用ID数、オプション機能追加などによって月額利用料が変動する。契約数の増加で収益が積み上がるストック型のビジネスモデルで、3年以上の長期利用顧客が全体の約5割を占めている。

■11月6日の第2四半期業績は、当初予想を上方修正して発表

 11月6日の第2四半期業績は、当初予想を上方修正して発表となった。売上高は前回予想を13百万円上回る7億73百万円(前回予想比1.7%増)、営業利益は33百万円上回る1億13百万円(同42.0%増)、経常利益は36百万円上回る1億14百万円(同46.6%増)、純利益は26百万円上回る75百万円(同53.8%増)と前回予想を大幅に上回る結果となった。

 売上高が前回予想を上回った要因は、@nyplace利用既存顧客の移転や拠点追加による。
 利益面での上方要因は、増収効果に加え、データセンター費用などの抑制、見込んでいた設備投資の後ろ倒しが挙げられる。

 サービス別の売上高は、@nyplace5億93百万円、COLLABOS PHONE52百万円、COLLABOS CRM91百万円、COLLABOS CRM(Outbound Edition)19百万円と全サービスが過去最高の売上高を記録した。

 @nyplaceは、既存顧客を中心とした増席とテレマーケティング会社等からのマイナンバー等の自治体案件の発生により、席数が前期末比で411隻増加したことで、5114席となった。
 COLLABOS PHONEは中規模コールセンターへの新規導入により、ch数が前期末比61ch増加し、652chとなる。
 COLLABOS CRMは、既存顧客からの紹介による新規案件受注や業務追加によりID数が前期末比128ID増えて2470IDとなった。
 COLLABOS CRM(Outbound Edition)は、既存顧客の業務繁閑に合わせた減席が重なり、ID数が前期末比19ID減となり、520IDとなる。

 通期業績予想に対する第2四半期の進捗率は、売上高47.4%、営業利益51.6%、経常利益53.2%、純利益55.0%と利益面では高い進捗率といえる。しかし、設備投資を下期に予定していることから、通期予想を据え置いている。

■中期成長に向けて顧客基盤拡大や新サービス創出を推進

 中期成長戦略としては、顧客基盤拡大に向けた販売力強化・販路拡大、新たな付加価値の提供に向けた新サービス・商品の創出加速、安定事業創出に向けた経営基盤強化を掲げている。M&A・アライアンス戦略や東南アジア地域を中心とする海外展開も推進する方針だ。

 アライアンス戦略による新サービス創出では、クラウド形式でのデータマイニング・データ解析サービスを専門とするアイズファクトリーと共同で、アウトバウンド市場をターゲットにした新サービスの開発を開始した。また既存パートナーとの協力体制強化と海外展開では、アウトソーシングビジネス大手のトランス・コスモス<9715>のフィリピン拠点に新規導入した。

 マーケティング手法の多様化やコスト低減のニーズも背景として、自社内オンプレミス型コールセンターから、低コストで拡張性や柔軟性も高いクラウド型コールセンターへのシフトが加速すると予想されている。サービス提案力やワンストップサービスの強み、さらに市場シェアNO.1の実績も武器として契約数の増加が期待され、中期的に収益拡大基調だろう。

最近の話題として、当社のホームページでは、エイブルがCOLLABOS CRMを導入した結果、業務効率が30%アップしたという導入事例を紹介している。

■株価は下値固め完了して戻り歩調

 株価の動きを見ると、11月6日に第2四半期の上方修正を発表したものの、株価は6000円台から安値圏の5000円台で推移している。ただ、12月14日の5050円まで下げたものの、5000円を割り込まずに18日には5440円まで回復している。下値固め完了して戻り歩調といえる。

 12月18日の終値5440円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS197円29銭で算出)は27倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS1297円95銭で算出)は4倍近辺である。

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