イーグランドの代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望を聞く

イーグランド<3294>(JQ)の代表取締役社長江口久氏に近況と今後の事業展望について伺った。

――まず御社の事業内容について確認しておきたいのですが。

【江口社長】 中古住宅の再生事業という形で、中古の区分所有のマンション、中古の一戸建てを購入し、リフォームという形の付加価値を付けまして、一般のエンドユーザー様に販売するという内容です。

――競売による仕入れに強みを持っていらっしゃるということですが。

【江口社長】 先期でいうと約3分の2が競売の仕入れです。4年前まではほぼ100%競売の仕入れでした。しかし、仕入れを多様化しようということで、4年前から任売の仕入れに力を入れるため、専門のチームを作りました結果、現在は3分の1くらいまでシェアが伸びています。将来的には、間違いなく任売が増えると思っています。

――競売の物件数は増えないと考えていらっしゃるんですか。

【江口社長】 競売物件数は将来的に増えないという前提で考えていますし、現実的にリーマンショックをピークにその後、約20%減少しています。競売の物件数については、今後どのような動きになるか分かりませんが、競売の仕入れだけに頼ることは危険だと考えています。逆に言えば、競売市場というのは中古市場のごく一部に過ぎません。任売が圧倒的に大きな市場です。といっても、平成8年から始めた競売のノウハウを捨てるつもりはありません。競売での仕入れもキッチリやりながら、任売の仕入れも増やしていくというのが中期的な方針です。

――今後は、任売に比重がかかってくるということですね。

【江口社長】 その通りです。しかし、今後、地方展開する上では、競売物件から入っていった方が非常に優位です。というのは、競売については、わざわざ物件の情報を仕入れる必要がありません。仕入れに関しては、ある物件についていくらで入札するかという判断だけで済みます。当社にとっては非常に取組みやすいといえます。全国展開する上では、競売から入っていきます。

――では、地方展開する上で、競売でスタートするが、その後の事業拡大においては、任売が中心となるということですね。

【江口社長】 その通りです。

――競売と任売の仕入れコストについて、どちらが有利だということはありますか。

【江口社長】 ようは、競売と任売の原価率はどちらが低いかということですね。

――そういうことです。

【江口社長】 競売の場合は、事例として多くはありませんが、極端に安く買えることがあります。競売では、事前に物件の中を見ることが出来ないとか、瑕疵担保が物件にあった場合でも売主に責任を問えないとか、色々なデメリットがあります。そのため、正常な価格を100とすると、その価格に7掛けします。更にその8掛けが、買受可能価額になります。つまり、正常な価格の56%で買えることもあるということです。ただし、ここのところは競売市場も過熱化しているため、全体としては、市場で買う価格とほとんど変わりません。ですから、競売、任売の価格に差はほとんどありません。

――そうですか。

【江口社長】 ただ、競売の場合大量に入札すると資金の問題があります。例えば、100円のモノを入札するにあたって、2割の保証金を積む必要があります。当社の場合、落札率は10%くらいですので、1物件を買うのに10件入札する必要があります。保証金を2割積み上げなければならないので、100円のモノを買うのに、200円用意しなければなりません。1000万円の物件を買うのに、2000万円のキャッシュが必要ということです。多くを仕入れようとすると資金の壁がありますので、資金力のない業者ではまず出来ません。

――次に、リフォームについてですが、それぞれの物件に合わせた、適材適所のリフォームを行うということですが。

【江口社長】 他社さんと比較すると、他社さんは扱っている物件の価格帯が高いので、リフォームにお金をかけています。当社の価格帯は、平均で1900万円です。現在、2500万円から3000万円クラスが、人気のある物件です。つまり、売りやすいので、どの会社さんも価格帯が2100万円から2500万円の物件の仕入れをしたがっているということです。そうすると他社との競合で仕入れ価格がどうしても高くなります。当社の場合は、駅から遠い、築年数が古いという理由等で、人気が無い物件にターゲットを絞っています。しかし、仕入れの価格さえ間違えなければ、必ず売れます。購入層は、年収が、300万円から400万円くらいです。月6万、7万の住宅ローンを組めば、購入することが出来ます。そのため、家賃を払うのだったら、購入した方が良いということになります。私たちが取り扱っている物件はその様な価格帯です。そのため、2500万円、3000万円の物件と同じようなリフォーム代をかけるわけにはいきません。3000万円台の物件だと約400万円のリフォーム代となります。当社の場合、リフォーム代は大体売値の1割くらい、約200万円となります。当社としては、リフォーム代を安くして、販売価格も安くするという方法を取っています。

――また、家具付きの物件が御社の特徴ということですが。最初から始められたことでしょうか。

【江口社長】 家具付きの物件は、2年ほど前から始めました。家具が無いとどうしても生活のイメージが湧かないようでして、現在は基本的には家具を入れています。お客さんには非常に評判が良いです。販促効果はあるのではないかと思っています。

――次に、足元の状況を伺います。第1四半期の数字は、前期の数字が無いので比べようがないのですが、どのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 大体想定通りといえます。まず今期の予算を組む時に、消費増税の影響は必ずあるだろうということで、上期、下期の売上比率を45対55にしています。私たちの売上の原資は棚卸資産にあります。前期と今期を比較すると約17億円増やしています。これを売上ベースでみると約20億円に換算されます。そうすると、期首時点で前期の売上プラス20億円の売上を確保しているということになります。基本的に私たちの事業サイクルは6カ月間ですので、期首の仕入れをそのまま続行すると2回転することになります。従って、今期は、約40億円の増収が見込めることになります。

――では、消費増税の影響はどのように見ていらっしゃいますか。

【江口社長】 基本的には、私たちの中古市場というのは、CtoCの取引が圧倒的に多いといえます。新築だとBtoCです。中古住宅の場合は、エンドユーザーさん同士の仲介の取引となりますので、消費増税は関係ありません。当社は事業者ですので消費増税の影響は受けるのですが、販売価格は増税前、増税後もそれほど変わらないと想定していました。実際それほど変わっていません。増税前に仕入れて、増税後に販売すると、3%分の増税の影響は受けるのですが、全部が全部3%の影響を受けるのではなくて、中古住宅の場合、土地と建物があって、土地の分は元々非課税です。大体土地と建物の価格の比率が5対5ですので、半年前に仕入れた物件が1.5%の増税の影響を受けるだけになりますので、それ程の影響はありません。しかし、今年の4月から5月の上旬にかけては若干ですが販売に関しては弱含みであったのではないかと感じました。ところが、5月のゴールデンウィーク後、6月、7月、8月は想定通りの動きをしています。また、住宅金利は非常に安くなっていますので、販売に関しては心配していません。

――仕入れの数に関しては、特に問題はありませんか。

【江口社長】 毎期、売上、利益共に2割増という計画ですので、年間2割ずつ増やそうという考えで動いています。

――中期的な今後の戦略についてお聞かせください。

【江口社長】 今期関西支店を出したばかりですので、まずは軌道に乗せることを第一に考えています。現在、専務以下7名で立ち上げています。その後の展開は、名古屋、福岡、仙台の順に進出しようと思っています。それ以外の地域で、支店を増やそうという考えはありません。

――急いで全国展開するという状況ではないですね。

【江口社長】 もともと中期の計画では、増収ペースは20%から30%の間です。そのためには、物件が最も多い首都圏で確実に任売の物件を増やし、次に、大阪で計画通りの数字を達成することに注力しています。

――次に、中期計画の具体的な目標数値がありましたら教えて下さい。

【江口社長】 2019年の売上高300億円を目標にしています。売上に関しては、達成できると見ています。というのは、自己資本比率30%を棄損しない範囲内で再投資していく方針ですが、年率でいうと20%から30%増となりますので、その分だけ棚卸資産を増やすということは出来ます。販売価格は、残念ながら景気変動がありますが、キッチリとした仕入が出来れば300億円は可能と見ています。競売市場規模のシェアを見ると、関東圏は、本社と宇都宮支店でカバーしている規模は約35%、札幌支店は市場全体の約2%、関西は全市場の約17%に過ぎません。そのため、競売については、先期の倍以上に増やす余地はあると見ています。任売に関しては、先期は約200件ほど販売しました。1都3県の中古マンションの取引は年間3万件、戸建が1万件あります。昨年でいうと、アベノミクスのおかげなのか、それぞれ3万6000件、1万2000件と例年の2割増しでした。まだまだシェアが低いので、これからもっと伸びると見ています。しかし、一気呵成にやろうとは思っていません。毎年じっくりじっくり伸ばしていこうと考えています。

――御社の強みを一言で投資家にアピールするとどのような点でしょうか。

【江口社長】 それは振れないスタンスです。低価格帯の中古物件に特化して、必ず事業を伸ばしていきますと約束します。

――本日は、長い時間ご対応いただき、誠に有難うございました。

今期15年3月期業績予想は、売上高158億85百万円(前年同期比26.8%増)、営業利益12億32百万円(同3.0%増)、経常利益10億15百万円(同6.6%増)、純利益6億29百万円(同7.8%増)と増収増益を見込む。家賃並みの月6万、7万円の住宅ローンで買える低価格帯の物件を扱っていることから、売上は順調に伸びるものと思われる。

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