【株式評論家の視点】グリーンペプタイドはガン免疫治療薬開発のベンチャー、新規上場後5割調整で出直り体勢整う

株式評論家の視点

 グリーンペプタイド<4594>(東マ)は、本年10月22日、東京証券取引所マザーズに上場。同社は、新規の「がん免疫治療薬」の開発(現在、臨床試験段階)を行う創薬ベンチャー。がんペプチドワクチン研究の草分け的存在の久留米大学発のベンチャーとして、久留米大学で平成4年に始まる基礎研究と平成10年に始まる臨床研究を終えたがんペプチドワクチン・シーズを、平成15年の同社設立とともに特許の譲渡を受けて承継し、企業治験に用いる治験薬の製剤化検討に始まり、早期臨床試験までを同社社単独で行っている。リード開発品のがんペプチドワクチンITK-1は、現在実施中である進行性の去勢抵抗性前立腺がんを対象とする国内第Ⅲ相臨床試験の開始前に富士フイルムへライセンス・アウトし、現在は同社とともに、現在は同社とともに、グリーンペプタイドは富士フイルムから本臨床試験の実施を受託し開発協力金を得ながら、本臨床試験を遂行している。

 今2016年3月期第2四半期業績実績は、売上高が4億1500万円、営業損益が6億0600万円の赤字、経常利益が5億9300万円の赤字、最終損益が5億9400万円の赤字に着地。

 通期業績予想は、売上高が8億3200万円(前期比1.3%増)、営業損益が13億4100万円の赤字(同4億9200万円の赤字)、経常損益が13億2800万円の赤字(同4億1300万円の赤字)、最終損益が13億2900万円の赤字(同4億1200万円の赤字)を見込んでいる。

 第2四半期に米国において契約コンサルタント、契約医師(キー・オピニオン・リーダー)一同を会したミーティングの実施、治験原薬、治験製剤の検討・製造及び毒性試験の実施など、治験届(IND)及び臨床試験の開始にかかる準備を実施。15年10月5日に米国食品医療品局(FDA:Food and Drug Administration)への治験届(IND:Investigational New Drug)を申請し、審査が完了したため米国で第Ⅰ相臨床試験を開始。第一適応としてメラノーマ(悪性黒色腫)患者を対象とする試験の準備を進めている。

 株価は、10月22日上場初日に公開価格の450円を上回る上場来の高値474円と買われた後、12月25日に上場来の安値235円と約5割の調整を挟んで上昇。業績面では研究開発費が高水準で赤字が続くと予想されるが、第2四半期赤字着地を織り込んだ感があるほか、需給面では年内現金化に伴う目先の売りが一巡した感がある。ここからある程度のリバウンド相場は期待されそうだ。(株式評論家・アナリスト/信濃川)

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