【編集長の視点】ランドコンピュータは続落も下値には低PER・好配当利回りの割り負け直近IPO株買いが継続

編集長の視点

 ランドコンピュータ<3924>(東2)の大発会は、54円安の2095円と昨年末以来、3営業日続落している。きょう4日の日経平均株価が、215円安と急反落してスタートしていることが響き、昨年12月24日につけた上場来安値2026円から底上げ途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ、同社株は、昨年12月11日に公開価格1760円で新規株式公開されたばかりで、上場来安値は、初値3580円を下回るとともに、今3月期の2ケタ増収増益業績からPERは12倍台、配当利回りは2.1%と下げ過ぎは明らかとして下値には直近IPO株買いが続いている。新年のIPO市場は、2~3月までIPOの空白期となることも、人気再燃期待を高めている。

■ネットバンク案件やクラウドコンピューティング事業の受注が拡大

 同社の今3月期業績は、IPO時に売り上げ71億5000万円(前期比12.9%増)、営業利益4億6600万円(同25.1%増)、経常利益4億7200万円(同14.1%増)、純利益2億8200万円(同23.8%増)と予想され、配当も、45円(前期実績は株式分割勘案で12円)と大幅増配が予定されている。同社は、企業向けのシステム開発やソリューションサービスを提供する創業45年のシステムインテグラーの老舗企業で、情報サービス業界は企業業績の復調とともにIT投資が堅調に推移し、マイナンバー関連需要もオンしており、金融分野のネットバンク案件の受注拡大や、流通分野での新規取引先からの受注獲得、さらにクラウドコンピューターサービス分野では、Saleforce、COMPANYなどのソフトウェアパッケージ製品の導入企業が増加していることなどが寄与する。

 とくに成長分野の柱として期待されるのはクラウドコンピューターサービス事業で、IPO時に同時発表された今期第2四半期累計業績の売り上げ2億7100万円が、第3四半期(3Q)以降は、6億2800万円に大きく伸びると見込まれている。大手企業の開発したパッケージ製品を顧客のニーズごとにカスタマイズし、アドオン開発、保守、運用までを含めてトータルサービスを展開していることが要因となっている。

■キャピタルゲイン・インカムゲインの両建て妙味で一段の底上げが有望

 株価は、3580円で初値をつけ上場来高値4005円まで買い進まれたが、昨年末のIPOラッシュや全般相場の伸び悩み・薄商いが響いて上場来安値2026円へ突っ込み、底上げを窺っていた。PERは12倍台と市場平均より割安で、配当利回りも2.12%となっており、直近IPO株買いによる一段の底上げによるキャピタルゲインと配当権利取りによるインカムゲインの両建て妙味を示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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