【どう見るこの相場】日経平均の行方:今年も世界情勢混沌

2016 大発会

■大発会の日経平均急落で始まる、今年も世界情勢混沌、主力株1本型相場から混合型相場へ

 2016年の大発会は500円を越える急落相場の幕開けとなった。今年も世界情勢は不安定で、国内ではアベノミクスが再上昇に転じるか、停滞となるのか要注目となっている。

<Q>期待された大発会は大きく下げているが。

<A>昨年末は3日連続高で計約265円の上昇で新春相場に期待が強まっていたが、初日は完全に裏目が出てしまった。548円安の1万8485円まで下げている。仮に、今日の引けでも500円を超す下げになれば終値ベースでは昨年91日(726円安)以来ということになる。

<Q>何が原因でこんなに年初から大きく下げたのか。

<A>日本の市場が年末の休みの間にNYダウが30日と31日の2日間で計約300ドルも下げたことが大きく響いた。しかも、年初にいきなりサウジアラビアとイランが外交関係を断絶したことが飛び込んできたことも加わった。足元の不安定な中東、欧州情勢にさらに暗雲が立ち込める雰囲気となっている。恐らく、この材料で4日のNYダウはさらに下げるだろうという見方から買い手控えの中をストンと下げている印象だ。

<Q>日経平均はどうなる。

<A>まず、チャート面で気になるのは去る12月15日の場中安値1万8562円を今日1万8485円と切ってきたことだ。これで、去る12月1日の戻り高値2万0012円から、チャート上では、「2段下げ」に入ったことだ。仮に、1段下げと同じ幅(約1450円)を2段下げに当てはめれば1万8420円前後という計算だ。そこまで下げるかどうかは分からないが、チャートの形としては、よほどの好材料が出ないと戻り売りになったとみておく必要があるだろう。

<Q>よほどの好材料とは何か。

<A>日銀の思い切った金融の追加量的緩和だろう。去る、12月18日には、小さな緩和が伝わって日経平均は場中で瞬間500円程度急伸した(終値では63円安)ように金融緩和には好反応すると思われる。ただ、あの時のような小さい内容では基調を転換することはできないだろう。

<Q>その可能性は。

<A>これまでの2度の規模の大きい緩和は春と秋だったことを考えると4月実施かもしれない。ただ、7月に参議院選挙を控えていることを見据えると4月より早まる可能性はありそうだ。1月後半の米国のGDPや日本のGDP(2月中旬発表)あたりが引き金となる可能性はあるだろう。

<Q>物色銘柄の変化が言われているが。

<A>トヨタ自動車を中心とするアベノミクス中核銘柄が基調的に相場が終わったということではないだろう。中核銘柄が本格的な下げに転じることはアベノミクスに期待できないことを意味することにもつながるだけに今の段階では考え難い。ただ、昨年までのような主力株だけという相場から主力株と非主力株が同時に物色される「混合型相場」のように思われる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  2. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  3. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  4. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  5. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  6. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る