【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワークマンは暖冬の影響で12月既存店売上前年割れだが、16年3月期増収増益基調

ワークマン 7564

 ワークマン<7564>(JQS)はワーキングウェア・作業用品専門店チェーンをFC中心に全国展開している。記録的な暖冬の影響で12月の既存店売上は前年割れだったが株価への影響は限定的だ。16年3月期増収増益基調を評価して15年7月の上場来高値を目指す流れに変化ないだろう。

■ワーキングウェア・作業用品の専門店チェーンを全国展開

 ワーキングウェアや作業用品などの大型専門店チェーンをFC中心に全国展開している。ローコスト経営を特徴として「エブリデー・ロー・プライス」戦略を推進し、他社との差別化戦略としてPB商品「WORKMAN BEST」の開発・拡販、販売分析データの活用や単品管理プロジェクトの推進、より緻密な品揃えと地域特性に合わせた売り場づくりなどを強化している。PB商品については売上構成比30%達成を目指している。

 15年3月期末の店舗数は42都道府県下に、FC店(加盟店A契約店舗)が14年3月期末比23店舗増加の641店舗、直営店(加盟店B契約店舗およびトレーニングストア)が同4店舗減の108店舗、総合計が同19店舗増加の749店舗を展開している。FC比率は同0.9ポイント上昇して85.6%となった。なお14年11月には北海道、15年3月には熊本県に初出店した。

 ドミナントエリアの強化、出店エリアの拡大、既存店のスクラップ&ビルド(S&B)および不採算店舗の閉鎖、年商1億円店舗の拡大などを推進し、人口10万人に1店舗として中期的には25年に全国1000店舗を目指している。

 15年4月には、群馬県伊勢崎市に床面積1万坪の流通センターを新設するため、群馬県と用地売買予約契約に調印した。既存の伊勢崎流通センター(床面積7140坪)がフル稼働状態のため、近接地に新伊勢崎流通センターを建設(総投資額38億円程度、17年2月完成予定)し、東日本の伊勢崎流通センター(新旧2センターの一体運営)と西日本の竜王流通センター(滋賀県、13年稼働、床面積7180坪)の2拠点で、全国の店舗への物流をカバーする方針だ。

■第1四半期と第3四半期の構成比が高い収益構造

 15年3月期の四半期別の推移を見ると、チェーン全店売上高は第1四半期(4月~6月)173億65百万円、第2四半期(7月~9月)148億67百万円、第3四半期(10月~12月)218億27百万円、第4四半期(1月~3月)151億26百万円、営業総収入は第1四半期125億22百万円、第2四半期105億20百万円、第3四半期150億63百万円、第4四半期103億21百万円で、営業利益は第1四半期20億83百万円、第2四半期13億88百万円、第3四半期32億37百万円、第4四半期16億31百万円だった。

 第1四半期と第3四半期の構成比が高い収益構造だ。また15年3月期の営業総利益率は34.4%で14年3月期比0.1ポイント上昇、販管費比率は17.2%で同0.3ポイント上昇、ROEは14.0%で同0.8ポイント低下、自己資本比率は77.5%で同2.3ポイント上昇した。配当性向は30.2%だった。利益配分の基本方針は配当性向30%を目途としている。

■16年3月期第2四半期累計は既存店好調で2桁増益

 今期(16年3月期)第2四半期累計(4月~9月)の連結業績は、チェーン全店売上高が前年同期比6.4%増の342億83百万円、営業総収入が同2.6%増の236億46百万円、営業利益が同17.1%増の40億65百万円、経常利益が同15.1%増の46億20百万円、純利益が同16.8%増の27億47百万円だった。

 消費増税の影響一巡も寄与して、作業用品などを中心に既存店売上が好調に推移した。さらに新規出店、新商品投入、PB商品構成比上昇、客単価上昇、一品単価上昇、売上総利益率上昇、販管費抑制などで増収増益だった。

 営業総収入の内訳を見ると、直営店売上高が同3.7%増の31億45百万円、加盟店向け商品供給売上高が同0.7%増の142億11百万円、加盟店からの収入が同10.1%増の47億33百万円、その他の営業収入が同3.0%減の15億55百万円だった。

 既存店売上高は同5.2%増で期初計画の同3.4%増を上回った。特に第2四半期(7月~9月)が同7.4%増と好調に推移した。店舗展開は新規出店5店舗、閉店1店舗、S&B1店舗で、15年9月末時点の総店舗数は14年9月末比16店舗増加の753店舗(15年3月末比では4店舗増加)となった。うちFCは同16店舗増加の645店舗で、FC比率は同0.4ポイント上昇して85.7%となった。

 PB商品は416アイテムを販売し、PB商品の売上高は同28.8%増の62億40百万円、チェーン全店売上高に対する構成比は18.0%だった。加盟店向け商品供給売上高除く売上総利益率は58.7%で同0.3ポイント上昇、営業総利益率は34.4%で同1.1ポイント上昇、販管費比率は17.2%で同1.0ポイント低下した。

 四半期別の推移を見ると、チェーン全店売上高は第1四半期(4月~6月)181億27百万円、第2四半期(7月~9月)161億56百万円、営業総収入は第1四半期126億71百万円、第2四半期109億75百万円で、営業利益は第1四半期22億35百万円、第2四半期18億30百万円だった。

■16年3月期増収増益基調

 今期(16年3月期)の非連結業績予想(4月30日公表)は、チェーン全店売上高が前期比4.5%増の723億30百万円、営業総収入が同3.8%増の502億40百万円、営業利益が同4.9%増の87億40百万円、経常利益が同4.6%増の99億円、純利益が同7.6%増の63億20百万円としている。5期連続の最高益更新見込みだ。配当予想は前期と同額の年間87円(期末一括)で予想配当性向は28.1%となる。

 新規出店18店舗、閉店1店舗、S&B7店舗で、期末総店舗数は同17店舗増加の766店舗の計画だ。新規出店はドミナントエリア構築で南関東や近畿への出店を強化する。また大分県に初出店する。既存店売上高は同3.0%増(客数が同0.5%増~1.0%増、客単価が同2.0%増~2.5%増)、PB商品売上高は同30%増の150億円、PB商品売上構成比は同4.0ポイント上昇の20.7%の計画としている。

 消費増税の影響一巡、既存店の好調、新規出店の効果、競争力のあるPB商品の強化、およびPB商品売上構成比上昇による売上総利益率上昇などで増収増益予想だ。

 月次売上高(FC店と直営店の店舗売上高合計、前年比速報値)を見ると、15年12月は全店88.5%、既存店87.7%だった。記録的な暖冬の影響で防寒衣料が苦戦した。また雨雪が前年よりも少なかったことも影響して、既存店は15年6月以来の前年割れだった。なお15年4月~12月累計売上は全店102.5%、既存店101.5%である。12月の新規出店は3店舗で、12月末店舗数は760店舗となった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計進捗率はチェーン全店売上高が47.4%、営業総収入が47.1%、営業利益が46.5%、経常利益が46.7%、純利益が43.5%と順調な水準である。16年3月期も増収増益基調だろう。

■中期成長シナリオに変化なし

 14年9月には、16年3月期から実施する「中期業態改革ビジョン」の中で、アベノミクス法人減税が実現して業績も増収増益が続けば、在籍社員の年収を現在の約600万円(平均年齢36.4歳)から5年を目途に約100万円引き上げる目標を織り込んだと公表している。小売企業の中でトップクラスの待遇や女性社員が第一線で働きやすい環境を作り、社員のモチベーション向上と業績拡大につなげる方針だ。

 テレビCM放映効果による知名度向上、積極的な新規出店、出店エリアの拡大、ドミナント出店の強化、PB商品力の強化、PB商品売上構成比上昇による売上総利益率改善、アルゴリズム自動選択型需要予測機能を持つ自社開発の発注システムによる発注作業の効率化などの効果で、中期成長シナリオに変化はないだろう。

■株価は戻り高値圏で堅調、12月既存店売上前年割れの影響限定的

 株価の動きを見ると、12月14日に戻り高値8000円まで上伸し、その後も地合い悪化の中、戻り高値圏で堅調に推移している。12月既存店売上の前年割れの影響も限定的のようだ。

 1月7日の終値7610円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS309円97銭で算出)は24~25倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間87円で算出)は1.2%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS2158円71銭で算出)は3.5倍近辺である。時価総額は約1557億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。16年3月期増収増益基調を評価して15年7月の上場来高値8910円を目指す流れに変化ないだろう。

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