【話題】『野も山も皆、弱気なら・・・』が接近か?

値上がり率上位20銘柄には「2倍ベア」など下げ相場で値上がりする投信がズラリ

 株式市場には「野も山も皆、弱気なら、阿呆になりて株を買うべし」(当ブログ:犬丸正寛の相場格言参照)という名言があるが、今年の日経平均は年初の4日から昨12日まで上げた日が皆無で6日続落。とりわけ12日は、東証1部の全1935銘柄のうち値下がり銘柄数が1890銘柄(全体の98%)に達し、合戦シミュレーションゲームならほとんど全滅状態になった。

 こうした中で、12日の東証1部の値上がり率上位20銘柄を見ると、ふつうの上場銘柄は5銘柄しか見当たらずじまい。ほかは一般の株式と同じように時価で売買できる投信(ETF:上場投信)が勢ぞろいする有様だった。

 しかも、その上場投信の顔ぶれは、バークレイズ投信投資顧問のiPath・VIX短期先物指数連動受益証券<2030>(東1・売買単位1株)の7.5%高、三菱UFJ国際投信の国際VIX短期先物指数<1552>(東1・売買単位1株)の6.8%高、あるいはシンプレックス・アセット・マネジメントのTOPIXベア2倍上場投信<1356>(東1・売買単位1株)の6.7%高、大和投信のダイワ日経平均ダブルインバース<1366>(東1・売買単位1株)の5.5%高、野村アセットのNEXT FUNDS日経ダブルインバース上場投信<1357>(東1・売買単位1株)の5.3%高などがほとんど。

 いわゆる「恐怖指数」と呼ばれるボラティリティ・インデックス(株価指数の予想変動率)に基づく投信や、株価指数と2倍の率で逆の値動きを目指す投信などがズラリと並び、まさに「野も山も」日経平均などの下げに乗じて値上がりを狙う投資対象のオンパレードだった。

 全体相場の下げの要因は、中東でのサウジアラビアとイランの緊張、北朝鮮の核実験問題、中国株式の下落などとされる。このため、相場が安定化するにはこうした外部環境の好転を待たなければならない。それまでは、下げ相場のリスクヘッジとして、こうした投資対象の必要性が高いことも確かだ。ただ、相場には「上げ一服」や「自律反騰」がつきものであり、12日の値下がり銘柄数や値上がり率上位銘柄の顔ぶれを見ると、目先は何らかの変化が接近してきた可能性がある。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■岡崎医療センターで実証、医療従事者の負担軽減と業務効率化を確認  川崎重工業<7012>(東証プ…
  2. ■全国の介護事業者が安心して選定可能、TAISコード取得で信頼性向上  丸文<7537>(東証プラ…
  3. ■生成AIへの危機感、弁護士の間で高まる  GVA TECH<298A>(東証グロース)は8月21…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  2. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  3. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  4. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  5. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  6. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る