【編集長の視点】ミズホメディーは配当権利落ち後安値水準から直近IPO株買いを再燃させて急反発

編集長の視点

 ミズホメディー<4595>(JQS)は、64円高の1763円まで上げて急反発している。同社株は、昨年12月17日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、今年1月6日に配当権利落ちとともに、上場来安値1661円をつけたが、前日12日のこれに並ぶ安値水準では下げ過ぎとして直近IPO株買いが再燃している。きょう13日に都心で気温が、今冬初めて氷点下を記録し寒さが募ってきたことから、同社主力製品のインフルエンザ検査薬が、いよいよシーズン本番となり、業績期待や同社の成長可能性の見直しにつながっていることもサポート材料視されている。

■医療政策の「治療」から「予防」へのシフトを受け主力の検査薬が好展望

 同社は、医療機関向けの検査薬や一般向けの妊娠検査薬などを開発・製造しており、関連して診断薬の基本技術・応用特許、検査部材、装置などで広範囲の特許を保有している。このうち、病院・開業医分野向けインフルエンザ検査薬は、全売り上げの約50%を占める主力製品で、富士フイルムホールディング<4901>(東1)と共同で高感度の機器システムを製品化し、感染初期判定や自動検出、判定結果のプリントアウトまで実現するなど高い競争優位性を誇っている。同検査薬は、第4四半期と第1四半期の冬季が、インフルエンザの流行期でシーズン入りとなっているだけに、これまでの暖冬から寒さ本番となっただけに業績期待を高めている。

 同社の決算期は12月期で現在、IPO後の初決算となる前2015年12月期業績を集計中である。同期の業績は、IPO時に売り上げ41億500万円(前々期比3.0%増)、営業利益3億200万円(同31.1%減)、経常利益3億1000万円(同32.3%減)、純利益2億400万円(同35.4%減)と増収減益と予想され、配当も27円を予定していた。売り上げは、政府の医療政策が、「治療」から「予防」にシフトして、とくに感染症分野での検査薬のニーズが高まるなか増収となるが、利益は、業容拡大に向けての人員増や昇給などの人件費増、新製品や製品改良のための研究開発費の増加、さらに上場関連費用などが重なり減益と予想した。この業績予想がどう着地するか、さらに続く2016年12月期業績で前期実施の積極策がどう業績を押し上げるか、初決算発表にかけ期待を高めることになる。

■新興市場のバイオ株としてPER18倍台、配当利回り1.5%と相対的に割安

 株価は、公開価格1100円に対してIPO初日は買い気配を切り上げたまま推移し、2日目に2822円で初値をつけ上場来高値3200円まで買い進まれ、公開価格比2.9倍となる高人気となった。最高値後は、1700円台まで調整、いったん12月期期末の配当権利取りで1900円台へリバウンドしたが、権利をスンナリ落として上場来安値をつけ、底上げを窺っている。新興市場のバイオ株として、実績ベースでPERは18倍台、配当利回りは1.53%と相対的に割安であり、一段の底上げに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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