【編集長の視点】マイネットは反落もスマホゲーム買収を見直し業績期待を高めて下値に下げ過ぎ訂正買い

編集長の視点

 マイネット<3928>(東マ)は、53円安の1386円と反落して始まっている。同社株は、今年1月18日取引時間中につけた上場来安値1238円から200円幅の底上げをしたが、きょう20日の日経平均株価が、165円安と反落してスタートしたことが響き、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値には、昨年12月21日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、IPO直後の12月28日に発表したスマートフォンゲームの買収を見直し、今2016年12月期業績への期待を高めて下げ過ぎ直近IPO株買いは続いている。大手証券が同社の業績高成長を観測するレポートを明らかにしていることも、サポート材料視されている。

■今年1月1日のアプリ買収も上乗せとなり今2016年12月期業績も高成長観測

 同社は、スマートフォンゲームアプリの開発・運営事業を主力事業としているが、このゲームアプリに独自のビジネスモデルを展開していることを特徴としている。スマホゲーム市場は、2012年の3072億円が2016年に8238億円に高成長することが予測されているが、この高成長とともにゲーム事業者の優勝劣敗が進んで市場撤退のケースが増えており、同社は、こうしたリリース済みのゲームアプリを買収し、再生して自社タイトルとする買収型リビルド事業を中心としている。この再生アプリのセカンダリー事業も2014年の47億円から2017年には1056億円に高成長すると予測されており、同市場のリーディングカンパニーの同社業績の高成長につながっている。

 目下集計中の同社の前2015年12月期業績も、IPO時に売り上げ28億8900万円(前々期比2.90倍)、営業利益1億3200万円(前々期は200万円の黒字)、経常利益1億3200万円(同収支トントン)、純利益8300万円(同1000万円の黒字)と予想された。買収型リビルドでは、昨年12月末に前年同期比7タイトル増の8タイトルを運営、このうち、2タイトルは、昨年10月に買収したもので、寄与期間が短いとして業績予想を加味していないため、上ぶれ着地期待を高めている。また今年1月1日にはNubee Tokyo(東京都千代田区)からゲームアプリ『神界のヴァルキリー』を1億5636万円で買収しており、今2016年12月業績へ大きく寄与するとの見方が台頭している。大手証券では前期営業利益が1億5000万円に上ぶれ、今期営業利益は7億円を高成長すると観測しており、今年2月予定の初決算発表が注目される。

■最安値から200円幅の底上げもなお公開価格を下回り下げ過ぎ歴然

 株価は、公開価格1680円に対して2005円で初値をつけ即ストップ高、さらに翌日もストップ高して上場来高値3230円まで買い進まれる高人気となったが、年明け後は、世界同時株安に巻き込まれて上場来安値1238円に突っ込んだ。同最安値からは200円高と底上げしたが、なお公開価格を下回るなど下げ過ぎを示唆している。一段の底上げに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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