【話題】日経平均予想PER14倍台が10営業日継続、アベノミクス第1章終了のサインか

 日経平均の予想PERが大きく低下した水準で推移している。年初1月6日に15倍台を割り込んでから現在まで10営業日連続で14倍台が続いている。

 PERは、日経平均採用225銘柄の、「先行き業績」や、「先行き人気」などに対する期待の高いときはPERは高くなり、逆に先行きに不安のあるときは低くなる。振り返って、昨年は4月29日にPERは18.18倍まで上昇していた。当時は足元のEPSはそれほど高くなかったが、PERは高くなった。つまり、昨年春のケースでは企業業績に対する先行き向上期待が強い相場だったといえる。

 逆に現在は、足元のEPSは高水準継続となっているが、PERは低下している。ということは、この先、日経平均採用銘柄の企業業績が下振れる可能性を示唆しているということではなかろうか。

 今の経済情勢を考えると、その可能性は否定できない。中国経済の悪化、急激な円高、そして、世界を牽引してきたアメリカ景気の利上げによる陰り、など企業業績を取り巻く環境は非常に厳しくなっている。

 今はまだEPSの顕著な下向きはみられないが、今後、仮にEPSが目立って低下することになれば日経平均の上昇は極めて難しくなってくる。日経平均採用銘柄はマーケットを代表する主力株であり、それは同時に言うまでもなくアベノミクスを支えてきた銘柄でもある。

 アベノミクスが第1章を終えて第2章に移ろうとしているときだけに主力株が調整入りするのは当然と言えば当然かもしれない。現在のPERの低水準は主力株から非主力株へのスイッチ過程であることを表しているとみることもできそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る