【どう見るこの相場】NYダウ・日経平均の行方

NYダウ・日経平均の行方

■戻り高値から3カ月、悪材料には飽き飽き、5月までは堅調が続く可能性

 年初から日米マーケットとも大荒れが続いた。当然、新聞の見出しは、連日、中国経済悪化、原油問題などが踊った。しかし、マーケットはかなり食傷気味で、悪材料に飽き飽きした。相場は自ら持つ力で病を乗り越えようとしていようだ。この先、相場は健康を回復するのだろうか。

<Q>このところNYダウ、日経平均とも値動きが激しいが、どういうことなのか。

<A>ひとことで言うなら、強弱感が入り交じっているということだ。NYダウで見れば、強気は戻り高値(昨年11月3日=1万77977ドル)から3カ月が経過しようとしていることがある。3カ月もの間、中国が悪い、原油相場が低迷と言い続けてきたことで、いい加減悪材料には飽き飽きしてきている。それに、昨年8月24日の安値(場中=1万5370ドル)に対し、去る1月20日の安値(場中=1万5450ドル)で、当面のダブル底をつけたということもある。日柄、値頃感とも反発の見込める地合いということがある。NYダウに連動している日経平均もほぼ同じリズムということだ。

<Q>つまり、相場自体が持っているリズムということと思うが、どこまで戻るのか。戻れば中国経済などの材料が頭を押さえると思うが。

<A>NYダウでみれば戻り高値(11月3日)と直近安値(1月20日)に対する中間値1万6713円程度あるいは、これから発表のGDPや雇用統計が良好ということなら1万7000ドルを回復することも予想される。一方、日経平均も戻り高値(12月1日)と直近安値(1月21日)の中間値1万8014円の可能性はあるだろう。「中間値」は、強気と弱気の均衡点となるため、中間値前後まで戻すと、指摘通り、中国問題や原油問題などが相場の頭を押さえることになるだろう。

<Q>もう少し先の中期展望はどうか。

<A>NYダウは、「5月」が大きいポイントだろう。例年、5月がかなり高い確率でピークとなっているためだ。しかし、5月までは、まだ3カ月もある。そこまで、市場参加者が何もしないで傍観したままということは考えられない。NYも日本も今や短期売買が中心といってよいほど幅を利かせている時代だから、この先3カ月は一喜一憂しながらも下げてはカイ、戻したらウリを活発に行うものとみられる。日経平均も基本的にはNYダウと同じ動きとみてよいが、ただ、大きく違う点は、アメリカが金融の量的緩和策が出尽くしているのに対し、日本は最後3回目となる大きい緩和策の残っていることだ。多分、4月頃とみられる金融緩和策が出れば、日経平均は中間値を上回り、戻り高値2万0012円(昨年12月1日=場中値)を目指す可能性はあるだろう。日米とも年初から続いた、「大嵐」は通り過ぎたとみていいだろう。次に予想される、「5~6月の嵐」までの間は比較的、堅調な相場展開が予想さそうだ。2月、3月の高利回りで業績のよい銘柄を、利回り確定買いさせて値上がりを待つという投資スタンスがよいだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る