【編集長の視点】ネオジャパンはもみ合いも分割落ち後安値から底上げ機運、連続最高業績を先取り直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

 ネオジャパン<3921>(東マ)は、80円高の2430円と続伸して始まったあと72円安と下ぶれなどもみ合っているが、今年1月27日につけた株式分割の権利落ち後安値2160円からは底上げ、出直る動きを強めている。同社株は、昨年11月27日に新規株式公開(IPO)されたばかりで今1月期の決算期末が迫っているが、今2016年1月期業績、続く来2017年1月期業績とも連続して過去最高が続くと観測されていることを手掛かり直近IPO株買いが増勢となっている。とくに昨年12月3日に新システムとして発売した「ChatLuck(チャットラック)」のテレビCMを今年1月25日から関東エリアで放映開始したことが、業績押し上げ要因として注目されている。

■新コミュニケーション・ツール「チャットラック」の業績寄与度も注目材料

 同社の今2016年1月期業績は、IPO時に売り上げ18億6700万円(前期比8.3%増)、経常利益3億6100万円(同36.1%増)、純利益2億2800万円(同32.3%増)と予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。メールやスケジュールなどを管理するグループウエア(情報共有ソフト)の導入ユーザー数が、大企業から中小企業、官公庁、組合・団体、学校など300万超に達し、しかもこれをクライド版「desknet’s NEO」として月額400円で提供しており、クラウド版が2ケタ増となり、パッケージ製品のプロダクトも、官公庁・自治体向けの機能強化の製品を昨年1月に発売したことなどが要因となる。IPO後初決算となった今1月期第3四半期(3Q)業績は、売り上げ14億1000万円、経常利益3億6300万円、純利益2億3100万円で着地し、四半期決算が初作成となるため前年同期比較はないが、すでに利益が、1月通期予想を上回っており、通期業績の上ぶれ期待にもつながっている。

 続く来2017年1月期業績も続伸が有力で、昨年12月発売の「ChatLuck(チャットラック)」も、業績押し上げ製品として浮上しそうだ。同システムは、メールに変わるビジネス向けのコミュケーション・ツールであるとともに、生産性を向上させ企業のメッセージ基盤を強化するもので、年明け以降にテレビCMを開始したことなどで注目度がアップしている。来期業績について東洋経済会社四季報最新号では、純利益を2億8000万円と連続過去最高と観測しており、1月期決算発表の今年3月にかけ業績期待を高めることになる。

■公開価格比5倍の初値高倍率の再現思惑も高めて一段の底上げ展開も

 株価は、公開価格2900円に対して1万4550円で初値をつけて公開価格比5倍の初値高倍率となり、上場来高値1万6490円まで買い進まれたが、年明け後は、世界同時株安の波乱に巻き込まれ上場来安値5500円と急落、1月31日を基準日とする株式分割(1対3)の権利取りで底上げ、6600円で分割権利を落とした。権利落ち後は落ち妥当値2200円をやや下回る2160円で下値を確認して反転機運を強めている。分割落ちで手掛けやすい値ごろ妙味も高めており、初値高倍率の再現期待を高値一段の底上げに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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