2月は業績相場より「金融相場」の展開か、マーケットは次の量的緩和に照準=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

 日経平均は、週末に日銀のマイナス金利政策決定を受けて急伸、注目された1月の月足チャートにおいて24カ月線を辛うじてキープ、月足での大崩れを回避できた。しかし、2月相場でも引き続き日経平均は24カ月線との攻防がついて回ることになる。

 今回のマイナス金利政策で、今後、(1)円安がどのていど進むのか、(2)設備投資や住宅建設にどのていど資金が向かい、景気を押し上げるのかは分からない。ただ、日銀が初となるマイナス金利を決めたことは景気対策に対する強い意志の表れとしてみておくことは必要だろう。2月15日頃に発表となる日本のGDP(10~12月)数値が芳しくないということや企業業績の伸び悩みが鮮明となれば、2013年4月と2014年10月の量的緩和に続いて追加の量的緩和が実施されるものとみられる。この含みがあれば実施までは日経平均は下値を切り上げる展開とみられる。

 ただ、日経平均が2万円へ一気に乗せてくるかどうかは不透明である。昨年夏の急落後の反騰相場局面と違って、中国経済減速が一段と進み、新興国経済も減速も目立ち始め、しかも、大きく違う点は米国が利上げに進んだことで機関車役の米国景気自体にも黄色信号が点りはじめている。日本の主力銘柄の業績にも陰りがみられる。

 とくに、これから、日本の主力企業の第3四半期決算が発表となることから、ファナックの下方修正にみられるように上値を押さえそうだ。もっとも、円安が一段と進めば、先き行きの業績に明るい展望となるため業績にはむしろ買い材料となってくる。

 2月相場は、業績に対する懸念を抱えることから、「業績相場」ではなく、日銀のマイナス金利政策により、行き場のないマネー中心の、「金融相場」の展開となる可能性がありそうだ。金融相場の色彩が強まれば、金融関連、不動産関連などのセクター、あるいは中低位の材料系銘柄が人気となりそうだ。

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