【編集長の視点】あんしん保証は反落もマイナス金利導入の追加緩和策で業績期待を高め直近IPO株買いの再燃が有力

編集長の視点

 あんしん保証<7183>(東マ)は、79円安の2331円と4営業日ぶりに急反落して始まっている。きょう3日に日経平均株価が、前日のニューヨーク・ダウ平均株価の295ドル安の影響を受けて511円安と急続落してスタートしており、今年1月21日につけた上場来安値2051円から底上げ途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ今年1月29日に日本銀行が、初めてマイナス金利を導入する追加金融緩和策を決定しており、メリットを受ける不動産関連株の一角に位置する同社株への業績寄与期待は根強く、下値には直近IPO(新規株式公開)株買いも続いている。今年2月12日にはIPO後の初決算となる今3月期第3四半期(3Q)業績の発表も予定されており、注目材料となっている。

■主力商品「ライフあんしんプラン」に追い風となり業績成長をサポート

 同社は、不動産賃貸業界で従来の連帯保証人制度などの人的保証に代わって機関保証を行い、円滑な賃貸契約締結をサポートすることによって不動産賃貸のセーフティネットを確立、不動産関連株の一角に位置する。日銀のマイナス金利導入では、住宅ローン金利低下による新設住宅建築や、金利低下に対応した借家建築などに波及効果が予想され、同社が、業界のパイオニアとして事前立替スキームとして構築した主力商品「ライフあんしんプラン」などにも好影響期待を高めている。

 ビジネス環境も良好で、単身世帯の増加により世帯総数が増加し、つれて民営借家総数も拡大、関連法律の改正が見込まれており、これに今回のマイナス金利導入の追い風が吹く。同社は、今年10月現在で約1400社の不動産管理会社と家賃保証契約を締結、保証会員数は約15万7000人、保証残高は約83億円となった。この契約不動産管理会社の管理戸数は、216万8000戸と全管理戸数578万2000戸の37%のシェアとなっているが、同シェアが50%に伸び、同社の加盟店管理戸数のシェアも現在の7%強から35%にアップするケースでは、同社の保証会員数も100万人と現在の6倍超に拡大する可能性も出て業績成長に拍車を掛ける展開も想定される。

 今3月期業績は、昨年11月19日のIPO時に売り上げ22億1900万円(前期比24.6%増)、経常利益3億700万円(同18.2%増)、純利益1億8400万円(同14.6%増)と予想された。今年2月12日には初決算として今期3Q業績を発表予定であり、3月通期業績に対してどの程度の進捗率を示すか注目される。

■初決算の3Q業績への期待を高め25日線水準から一段の戻りにトライ

 株価は、公開価格1460円に対して5730円で初値をつけ上場来高値6050円まで買い進まれたが、その後は調整が続き、年明け後は世界同時株安の乱気流のなか上場来安値2051円へ突っ込んだが、日銀の追加金融緩和策決定とともの底上げを鮮明化、25日移動平均線水準までリバウンドした。初決算の今期3Q業績などへの期待を高め一段の戻りにトライしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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