CRI・ミドルウェアは第1四半期業績の発表と同時に、第2四半期の利益面の上方修正を発表

■高圧縮ソフトウェアトランスコードシステム「CRI DietCoder」の提供を開始

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は10日、第1四半期業績の発表と同時に、第2四半期の利益面の上方修正を発表した。

 今期16年9月期第1四半期連結業績は、売上高2億50百万円(前年同期比13.6%減)、営業利益23百万円(同65.2%減)、経常利益17百万円(同72.1%減)、純利益10百万円(同71.6%減)と減収大幅減益であった。

 売上高については、新規事業の一部売上が次期にスライドしたが、ほぼ計画通りに推移した。

 利益については、利益率の高い許諾事業の強化で、粗利益率が前年同期の62.2%から73.3%へと11.1ポイントも改善したことで、売上総利益は1億83百万円(同1.8%増)となった。しかし、新規分野・製品への研究開発費が1億59百万円(同42.1%増)となり、営業利益以下が大幅減益となった。大幅減益となったものの、期初予想を上回ったこともあり第2四半期業績予想の利益面の上方修正となった。

 16年9月期第2四半期連結業績予想は、売上高は前回予想を14百万円下回る6億15百万円(前回予想比2.2%減)、営業利益は26百万円上回る1億07百万円(同32.1%増)、経常利益は19百万円上回る1億円(同23.5%増)、純利益は14百万円上回る68百万円(同25.9%増)を見込む。

 売上高に関しては、スマートフォン向けを中心としたゲーム分野や新規分野での拡大が見込まれるものの、それ以外の分野の受注環境が厳しいことから当初予想を下回る見込み。

 利益面に関しては、外注費等の諸経費の抑制により、当初予想を上回る見込みとなった。

 なお、通期業績予想については、期初予想を据え置いている。

 トピックスとしては、画質を劣化させることなく圧縮し、高画質かつ軽量な動画データを実現する高圧縮ソフトウェアトランスコードシステム「CRI DietCoder(シーアールアイ ダイエットコーダー)」の提供開始が挙げられる。既に国内の映像配信・制作会社7社に提案済みで、その他に新たに6社から問い合わせが来ている。当社では、今期の第3四半期から業績に貢献すると見ている。このような技術を持っているのは、世界中で当社のみで、今後の事業拡大の核になると予想される。

 しかし、世界一の技術を持っているが、更なる営業力強化が必要なことから外部からスペシャリストを迎えて「グローバル事業推進室」を新設した。今年の3月には海外向けウェブ・SNS情報の発信強化のために、海外顧客向け専用ウェブサイトをオープンする予定。

 当社が属する通信系コンテンツ市場の市場規模は、1兆5489億円(2009年)から2兆3440億円(2013年)と拡大し、今後もこの傾向は続くものと見られている。中でも、当社が得意とする映像・音声コンテンツ市場の割合は、55%(2009年)、70%(2013年)と拡大していて、2019年には80%になると予想されていることから、当社の事業環境は良好といえる。

 現在、売上の主力であるゲーム分野の海外売上比率は10%以下であるが、将来的には、今の国内の売上の2倍から3倍まで伸ばす計画。技術力があることから、今後の事業拡大が期待できる。

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