【木村隆のマーケット&銘柄観察】日本航空電子工業は各部門がそろって好調、今期再増額も

木村隆のマーケット&銘柄観察

日本航空電子工業<6807>(東1)は好業績買いの動きが再燃の可能性が強い。今2015年3月期の9月中間決算は営業利益が106億円と前年同期比75%増益、従来計画の98億円を上振れる着地となった。通期予想も203億円から217億円、前期比31%増にまで上方修正している。

想定通りの好決算であるが、業績期待の高い銘柄でもあったため、目先的な出尽くし感が先行する状況となっているもよう。株価も以後調整色を強める展開を余儀なくされている。ただ、業績は再増額含みである。レーティング最上位継続、目標価格引き上げとアナリスト筋の評価も高い。

同社はパソコン、携帯機器、薄型テレビ、カーナビ、工作機械など幅広い分野で使用される各種コネクタの製造販売が主力(コネクタ事業)。このほか、航空機搭載電子機器を主体とする航空・宇宙用電子機器等の製造販売(航機事業)や、各種スイッチや液晶タッチパネルなどの製造販売(インターフェース・ソリューション事業)も手掛ける。

上期は主力のコネクタ事業が前年同期22%増の780億円に。営業体制を強化し、中国の現地スマートフォン・メーカーへの拡販に努めたことで、海外携帯機器向けの売り上げが伸長した。航機事業も同20%増の72億円、インターフェース・ソリューション事業も同21%増の33億円となり、全般的に好調に推移した。

後半も引き続き成長の続く中国の現地スマートフォン・メーカーへの拡販・顧客開拓を加速。自動車向け、産業機器向けも新製品投入等で受注拡大を図る。

こうしたことから今期の営業利益についてアナリスト筋は今期営業利益について、会社側見通しを上回る223億円に達するとの見方を強めている。調整一巡感と相まって、好業績買いの動きが再燃の方向が予想される。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る