【引け後のリリース】住友重機が悪性脳腫瘍に「中性子」の新療法

引け後のリリース

■原理上、まわりの正常細胞は傷つけず病院内でも実施可能に

 住友重機械工業<6302>(東1・売買単位千株)は29日、サイクロトロン中性子照射システムとホウ素化合物を用いたホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治験(第Ⅱ相試験)開始について発表した。同社とステラケミファ<4109>(東1)グループのステラファーマが、一般財団法人脳神経疾患研究所に委託して実施するとした。株価終値は2463円(6円安)だった。

 発表によると、この治験は、悪性脳腫瘍の中でも最も予後の悪い癌である膠芽腫で、すでに腫瘍摘出術、放射線治療、テモゾロミド等の治療を受けられた後の再発患者を対象にする。

 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)と呼ばれるがん治療法は、がん細胞に取り込ませたホウ素(Boron-10)に弱い中性子をあてることにより生じる核反応によって、ホウ素を取り込んだがん細胞を選択的に破壊する治療法。

 原理上、まわりの正常細胞は傷つけず、がん細胞だけ死滅させることが可能なため、他の放射線治療とは異なるユニークな放射線治療法になる。従来のBNCTは中性子を取り出すのに実験用原子炉を使って行われていたが、今回のBNCTは原子炉ではなく、京都大学原子炉実験所と住友重機械工業が共同開発したサイクロトロン中性子照射システムを使用するため、病院内でも実施できるようになった。このため、今後BNCT普及の第一歩となることが大いに期待されているという。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る