【株式評論家の視点】ジグソーは人工知能関連で好業績、前期2.5倍増益

株式評論家の視点

 ジグソー<3914>(東マ・100株)は、昨年4月28日に東京証券取引所マザーズに上場。人工知能制御をベースにしたIoTデータコントロールサービスとロボット型オート・パイロット・サービス(Auto Pilot Service)及びオリジナルIoTプラットフォームのクラウド提供及びクラウドインフラやサーバ、周辺機器やソフトウェア、WEBサービス等のハイブリッドマネジメント、あらゆるIoTプロダクトやデバイスや次世代ロボット・サービスを対象にしたA&Aコンセプトを軸にした人工知能制御によるデータコントロールサービスを提供している。

 前2015年12月期においては、IoTやビッグデータ、人工知能(AI)が政府がまとめた「日本再興戦略」に最先端技術による社会構造変化を見据えた施策として盛り込まれるなど、さらなる盛り上がりを見せている中、同社は、全IoT端末から送信されるデータを自動受信・検知・制御するためのIoT OS「SINGULARITY」によるIoTデータコントロールサービス「IoT-A&A Service」の提供開始や、インター ネットサービスにおける人の目による確認作業を代替可能な「コンポーネント型自動チェックロボット:ABR(Auto Browsing Robot)」をリリースするなど、より一層質の高いサービスを提供することで、既存案件の積み上がり及び新規案件の獲得を推進。

 前2015年12月期業績実績は、売上高が6億5700万円(前の期比30.1%増)、営業利益が1億5600万円(同2.5倍)、経常利益が1億4700万円(同2.4倍)、純利益が9500万円(同20.2%増)に着地。

 今16年12月期業績予想については、合理的に可能となった時点で速やかに開示する予定としている。世界のIoT市場は2020年に365兆円の市場規模(IDC Japan株式会社より)まで拡大すると観測されおり、同社はその1%のシェア獲得に向けて、2016年から本格的に稼働する。中長期的な大きな成長を実現する事業基盤を強化するための取り組みとして、デジタルユニバースを支えるビジネスコンソーシアム「JIG-SAW Sales Alliance Program for D.U」をスタートさせ、昨年12月には同ビジネスコンソーシアムへの参画企業が100社を超えるなど、パートナー企業との連携を今まで以上に強め、拡大するIoTマーケットへのサービス提供を加速していくほか、IoT、M2M、ウェアラブル端末などを軸に今後爆発的に拡大していくと予測されるIoTデータの通信ニーズに応えるべく「IoT-MVNO事業(IoTモバイル通信サービス)」に参入することで、同社のコントロールサービスの対象は、今後数兆個にもなると言われているIoTデバイスそのものに一気に広がること予想しており、事業の着実な成長は見込まれる。

 株価は、昨年11月12日高値8075円から1月18日安値3765円と調整、2月12日安値3950円と売り直されて二番底形成から上昇。金融とITの融合を意味するフィンテックがその普及プロセスで人工知能(AI)とも密接に関わることを手掛かりに、2月25日高値8880円と買われ8000円のフシを突破。高値モミ合いとなっていたが、今月2日大引け後に宇宙開発ベンチャーのispace(アイスペース、東京都港区)と共同で、月や小惑星など地球近傍天体など宇宙空間での資源探査を目的とした自律制御ロボット「宇宙群ロボット」の開発を開始すると発表したことを材料視した買いが流入し、3日に9170円と連日の昨年来高値と買われている。テーマに乗った有望銘柄として市場人気が続く可能性はありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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