【編集長の視点】IPO3日目のバリューゴルフは急反落も潜在成長可能性を評価し直近IPO株買いは継続

株式市場 IPO 鐘

 バリューゴルフ<3931>(東マ)は、570円安の2785円と急反落して始まっている。同社株は、今年3月2日に公開価格1280円で新規公開(IPO)されたばかりで、上場初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、上場2日目の前日3日に公開価格を1935円、2.65倍上回る3215円で初値をつけて2703円と下ぶれ、同安値から上場来高値3400円まで切り返すなど値動きを活発化させた。きょう4日も、日経平均株価が、円高・ドル安の進行が響いて98円安と小反落してスタートするなか、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値には、同社の独自ビジネスモデルの「1人予約ランド」の潜在成長可能性を評価する買い物は続いており、IPO時の資金吸収額が5億円弱と小規模にとどまり、ベンチャーキャピタルなどの保有株もなく値動きが軽いことを手掛かりに直近IPO株買いが再燃する展開が想定されている。

■「1人予約ランド」の登録会員は59%増と伸び純利益は前期比3.6倍と大幅続伸

 同社は、ブライダル情報誌の広告制作受託業務からスタートして、ゴルファー向けのフリーペーパー「月刊バリューゴルフ」を創刊、さらにゴルフ場関連のアプリケーションソフトをインターネットを通じて顧客にレンタルするASP事業を展開するなど事業を多角化してきた。ASP事業の中心は、通常は4人1組とならなければ利用できないゴルフ場で1人でもプレーできることを可能とする「1人予約ランド」で、ゴルファーは、登録会員となってゴルフ場、プレー日時、料金、予約状況を検索して希望に合った予約枠を申し込むと、他の登録会員とマッチングが成立しプレー催行となる。登録会員数は、2016年1月期第3四半期末現在で前年同期比59.9%増の22万名、契約ゴルフ場は、同22.9%増の574コース、延べプレー予約数が、同44.2%増と好調に推移している。この登録会員は、それでも全ゴルフ人口の2%前後、ゴルフコースも、全施設の4分の1程度に過ぎず、この増加から同社の潜在成長可能性は大きく、業績成長をサポートすると見通されている。

 また「月刊バリューゴルフ」や自社ホームページ「バリューゴルフ」などで展開している広告・プロモーションサービスも堅調に推移しており、IPO後の初決算となる2016年1月期業績は、売り上げ9億9300万円(前期比5.3%増)、営業利益1億3000万円(同2.10倍)、経常利益1億3000万円(同2.60倍)、純利益8900万円(同3.62倍)と大幅増益が予想されている。

■ネット系、小型株、東証マザーズ上場と人気IPO株の3条件を完備

 株価は、ネット系、小型株、東証マザーズ上場と人気IPO株の3条件をクリアして高初値倍率で初値を形成して高値もみ合いとなっているが、前日2日取引時間中につけた上場来安値2703円で下値抵抗力の強さを確認し、上値チャレンジに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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