【今日の言葉】GDP1位、2位の大国に落ち着き

 『GDP1位、2位の大国に落ち着き』=前週末、世界GDP1位と2位の国においてマーケットに影響の大きい動きがあった、アメリカでは、「今年2月の雇用統計」発表、中国では5年に一度の「全人代」があった。ひことで言うなら、GDP1位のアメリカは景気好調、同2位の中国の景気は停滞ということだろう。

 アメリカの2月の新規雇用者数は24.2万人増加で1月の17.2万人増を上回り、オバマノミクス効果で景気好調という姿である。一方の中国は、全人代で過剰生産設備の整理を進め、経済成長率は年6.5%を目指す。オリンピック、万博開催頃の2007~08年は14%程度だった経済成長率は半分まで落ち込んでいる。前回の全人代では、生産力増強が主眼だったが、悪く捉えれば作りすぎの反動、良くいえば量から質への転換ということだろう。

 今後ということでは、アメリカは好調の続いている景気が中期的にみて次期大統領によってどうなるか、短期的には好調な景気から利上げペースが速まるのではないかということがある。

 一方の中国では、マイナス面では構造改革により失業者増加による社会不安が起きないか、あるいは爆買いの消費が落ち込まないかという心配がある。プラスにみれば、これから鉄道、道路、航空など交通網中心に社会インフラ整備による中国全体の質的向上に期待できるだろう。かつての日本の列島改造のように。先行き中国での観光ブームも予想される。

 特に、足元の相場では、中国の好い点、悪い点が明確となったことで思惑相場は後退し、中国の構造改革を見守る展開に移っていくものとみられる。GDP1、2位の大国の白波が収まったことで世界のマーケットはしばくは落ち着いた展開となりそうだ。日経平均は、景気の行方、参議院選挙の行方、消費税の行方という日本独自の動きを見極める相場だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  2. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  3. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  4. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  5. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  6. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る