ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く

【ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く】

■『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指す、第5次中期経営計画推進中、目標に対し利益進捗率70%と好調

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1・100株)は、「冷蔵倉庫事業」、と「食品販売事業」の2つの事業を手がける。冷蔵倉庫収容能力は90万トン超の業界トップクラスを誇り、「保管・物流拠点化」と、「全国ネットワーク化」の2つの主要施策を推進することで、『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指している。食品販売事業では、経験豊富な営業マンが、産地や生産者の選定から仕入れ・販売までを一元管理するビジネススタイルを確立、世界に広がるネットワークを通して安全・安心な食材を提供している。昨年暮れの定時株主総会で社長に就任した西山敏彦社長は横浜銀行の出身。ヨコレイに入社して12年、冷蔵倉庫事業、食品販売事業をじっくり見詰めてきたという。現在、第5次中期経営計画を推進中で利益進捗率は目標の70%と高い。西山敏彦新社長に展望を聞いた。

――昨年12月の定時株主総会で社長に就任されました。横浜銀行から2003年にヨコレイへ入社され12年ということですが、今日は、新社長としての抱負と個人投資家の皆さんへのメッセージを中心にお願いしたいと思います。まず、今の気持ちからお願いします。

 【西山社長】 12年間、吉川会長(前、社長)のもとで冷蔵倉庫事業、食品販売事業をひととおり経験しました。再来年に70周年のフシ目を控えている中での拝命でもあり、よりいっそう気持ちを引き締めて経営に取り組んでいく気持ちを新たにしています。新社長として今、強く思っていることは、事業規模の拡大もさることながら、お客様に当社のハード・ソフト面の強みを実感していただき、品質において業界随一と評価される企業を目指します。

――中期経営計画推進中での社長就任ということです。

 【西山社長】 2014年10月からスタートした第5次中期経営計画『FlapTheWings2017』の計画期間は2017年9月期までの3年間です。当社が培ってきた強み・経営資源を最大限活用し、『ヨコレイならではの質の高いサービスを提供』することで顧客とのWin―Winの関係構築・パートナーシップの強化を図ります。冷蔵倉庫事業は、「保管・物流拠点化」と、「全国ネットワーク化」の2つの主要施策を推進することで、『クールネットワークのリーディングカンパニー』を目指します。食品販売事業は、安定的な利益追求を基本としながらも強みのある商材の全社的な展開を推進、海外取引も強化します。今期は第5次中期経営計画の2年目ですが、最終年度の目標達成に向けたステップとなる重要な年度となるため各施策の着実な推進に取り組んでいきます。

――数値目標と進捗状況はいかがですか。

 【西山社長】 2017年9月期の目標である売上1650億円、営業利益57億円、経常利益57億円に対し、1年目の前2015年9月期は売上1547億6700万円、営業利益38億7400万円、経常利益40億3900万円の実績でした。売上目標を昨年11月に上方修正するなど当初の計画を上回るペースの増収を達成しています。利益目標も70%を超えて進捗しており達成は十分可能な水準であると考えておりますが、引き続き目標達成に向けて邁進してまいります。

――配当は年20円を安定継続されています。

 【西山社長】 当社は、株主の皆様に対する長期安定的な配当を継続して行うことを基本方針としています。企業価値向上のために必要な設備・IT投資を考慮しつつ配当性向も意識していきます。リーマンショックで業績の停滞したときも年20円配当を継続してきました。創業70周年に向け業績を向上させ、さらに株主の皆様に報いられるよう取り組んでいきたいと思います。

――長期保有の株主が多いようですね。株主優待も魅力のようです。

 【西山社長】 株主数は前期末(15年9月期)で1万3千名あまりとなっています。長期保有の方がたいへん多く、当社に対する信頼と応援をいただいていると感謝し、期待に沿うよう気持ちを引き締めています。株主優待は、1000株以上3000株未満保有の株主様に、昨年業務提携したノルウェーの有力水産企業ホフセフ社製品「サーモン詰合せ」、さらに、3000株以上保有の株主の皆様には「北海道産のホタテ・いくらセット」をお届けしており、おかげさまで大変ご好評をいただいております。

――冷蔵倉庫事業と食品販売事業の特徴をお願いします。

 【西山社長】 現在の冷蔵倉庫の収容能力は90万トンを超えており、業界トップクラスです。冷蔵倉庫事業に求められる重要なことは、多岐にわたる中で、とくに、(1)商品の品質を損なわず長期にわたり保管できる設備と技術、(2)様々な種類と豊富な量の商品を保管できる収容能力、(3)顧客ニーズに合わせた最適な物流サービスの提供という3点です。全国を5ブロックに分け、それぞれの地域のニーズにマッチした体制を整えていることが当社の強みです。食品販売事業では、経験豊富な営業マンが、産地や生産者の選定から仕入れ・販売までを一元管理するビジネススタイルを確立。世界に広がるネットワークを通して安全・安心な食材を安定供給しています。

――前9月期の概要をお願いします。

 【西山社長】 前期(15年9月期)は、「冷蔵倉庫事業」は、入庫取扱量が3.9%、出庫取扱量が2.4%、それぞれ増加、平均保管在庫量は8.0%増加しました。とくに、畜産品の入庫が好調でした。タイの連結子会社においては14年9月期に新設したワンノイ物流センター2号棟がフル稼働となりました。この結果、同事業の売上は8.3%増と好調でした。ただ、新設した4つの物流センターの減価償却費負担と立上げ時の臨時費用により同事業の営業利益は0.9%の減少となりました。「食品販売事業」では、ホタテ・カニなどの水産品が好調で同事業の売上は9.4%増でしたが、高値推移していた食品相場に急激な円安が重なるなどの厳しい事業環境の影響で7.5%の減益となり、同事業全体としては増収減益となりました。

――今期(16年9月期)に入って足元の業績はいかがですか。

 【西山社長】 第1四半期(10~12月)は、売上は前年同期比5.3%増の420億3500万円、営業利益40.5%増の18億2000万円と出足好調です。冷蔵倉庫事業では、14年9月期から順次稼動した4つの物流センターのフル稼働による寄与で前年同期比6.0%増収、同事業営業利益は物流センター立上げ費用が減少したことで26.5%増益と大きく伸長しました。食品販売事業においては、為替が安定的に推移したこともあり、前年同期比5.1%増収、営業利益は46.1%増益と好調でした。今9月期通期では、売上は前期比3.4%増の1600億円、営業利益29.1%増の50億円の見通しです。なお、第1四半期での営業利益進捗率は、4分の1の期間が経過した段階で36.4%と順調に推移しています。

――ありがとうございました。

 【編集後記】 本社は横浜のみなとみらいが一望できる、みなとみらいグランドセントラルタワー。社名の登記上は横浜冷凍だが、会社設立当時(昭和23年)、横浜中央卸市場で、「ヨコレイ」と呼ばれていたことから現在でも得意先、株式マーケットではヨコレイの社名で親しまれている。インタビューでは、日本の食を量と質の両面から根底で支える力強い自信と取組みが伝わってきた。株価は昨年来高値が1080円(15年12月)、同安値が782円(15年1月)で足元では1000円前後のモミ合い。今期予想EPS59.9円、配当年20円、1株純資産1185円という内容。株価に派手さはないものの、安定成長の資産株としての評価が高い。とくに、人気の株主優待を含めた総合利回り高く魅力的だ。1株純資産並みの1200円前後が見込めそうだ。

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