【株式評論家の視点】マツモトキヨシは増配好感で急伸、免税店を275店へ拡大でインバウンド効果満喫、最高値更新を期待
- 2016/3/28 10:52
- 株式評論家の視点
マツモトキヨシホールディングス<3088>(東1・100株)の株価に注目したい。3月25日には、2月3日以来となる6000円台を一時つけた。ここ1か月、5000円台前半でモミ合っていたが急伸。今月16日に、年間配当予想額を80円から85円に引き上げを発表。増配に裏付けされた業績の好調さに安心感がある。
グループの中心となるマツモトキヨシは、ドラッグストアの最大手。マツキヨの愛称で親しまれ、首都圏・中部・関西では黄色の看板をよく目にすることができる。2015
年12月末のグループ店舗数は1552店舗。1932年創業、創業者が社名。2007年持ち株会社を設立。
2月に発表した、2016年3月期第3四半期決算は売上、利益ともに過去最高。売上高4033億円(前年同期比+11.2%)、営業利益207億円(+72.9%)、経常利益226億円(+63.6%)、純利益1461億円(+91.8%)。
ドラッグストアと関連するキーワードと言えば、インバウンド需要。中国を中心とした外国人観光客の購入は無視できない数字となっている。2014年は1300万人以上の訪日数。2015年は1500万人を超すと予測されている。日本の人口の10%を優に超える。大阪や京都の観光地では、ブランドイメージの高い化粧品、医薬品などの高級品が1日で店頭からなくなるほどの需要となっている。
マツモトキヨシは、訪日外国人向けの免税店舗を275店舗に拡大。社会現象となっているインバウンド需要に対応し、首都圏・関西圏以外にも広げている。また、その需要に特化した店舗も5店舗出店している。
インバウンド以外の新業態・海外展開にも目を向けている。今期はタイに2店舗出店。国内ではアウトレットモールをオープン。また、美と健康の分野に特化した次世代ヘルスケア店舗『暮らしのヘルスケアショップ』を創業の地松戸市にオープン。
上場最高値は、昨年8月の6950円。中期ではこの数値を目安に仕込みたい。3月本決算で、期待どおりの発表となれば7000円超えも現実的となろう。
短期では、5500円付近で拾えれば60000円台への戻りが期待できる。(株式評論家・生駒山)