【株式評論家の視点】日本エム・ディ・エムの中期経営計画に評価、自社製造能力強化で利益拡大

株式評論家の視点

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は、整形外科領域を中心に、拡大する医療現場のニーズに価値ある医療機器で応えるために、「商社機能」と「開発主導型メーカー機能」を融合した独自の事業展開を推進している。整形外科関連では、骨接合材料、人工関節、脊椎固定器具、人工骨を手掛けている。

 2016年3月期から18年3月期までの3か年を実施期間とする中期経営計画「MODE2017」では、中期経営指針として「成長領域への積極投資を通じ新たなステージへ成長を加速させる」を掲げ、「開発、調達力の強化」、「注力分野での国内市場シェアの拡大」、「北米事業の拡大及び海外トレード事業の開発」及び「更なるコスト効率化」を基本方針とし、メーカーとしての成長を加速させ、市場及び顧客ニーズに対応した自社製品を開発導入し、日本国内のみならず北米においても収益の伴った高成長を維持し、また、自社製造能力の拡大等による製造コストの更なる低減、品質管理強化、製造から販売・市販後までの一貫した安全管理体制の整備等を実施することにより、さまざまな課題に取り組んでいる。

 2016年3月期第3四半期業績実績は、売上高が94億7200万円(前年同期比11.7%増)、営業利益が12億1600万円(同18.1%増)、経常利益が10億8300万円(同23.1%増)、純利益が6億4900万円(同27.5%増)に着地。

 通期業績予想は、売上高が133億5000万円(前期比12.6%増)、営業利益が16億円(同23.5%増)、経常利益が14億円(同28.8%増)、最終損益が7億3000万円(同3億9100万円の赤字)を見込んでいる。配当は期末一括6円(同1円増)を予定している。

 16年3月期第3四半期は、米国子会社Ortho Development Corporation(ODEV)社製の人工関節製品の売上が堅調に推移したほか、脊椎固定器具製品の売上も大幅に伸長。米国においても人工関節製品の売上が堅調に推移。人工関節分野は、ODEV社製人工股関節製品「オベーションヒップシステム」の売上が引き続き堅調に推移し大幅に伸長。骨接合材料分野は、「MDMプリマヒップスクリューシステム」の売上が堅調に推移。脊椎固定器具分野は、ODEV社製脊椎固定器具「Pagoda スパイナル システム」及び前連結会計年度から販売を開始した「IBIS スパイナル システム」の売上が順調に推移し大幅に伸長。

 株価は、昨年11月24日に昨年来の高値759円と買われた後、2月12日安値486円まで調整を挟んで2月29日高値618円と上昇。その後、モミ合いとなっている。米国子会社「Ortho Development Corporation」が製造する人工股関節製品「Alpineヒップステム」が薬事承認を取得。この2月から順次発売しているようで、来期続伸、増配含みと観測されている。中期経営計画で掲げた18年3月期営業利益20億円目標に向かって着実に邁進すると期待される。足元で25日移動平均線がサポートラインとして意識されており、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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